2005年 7月 14日 (木) 

       

■ 〈お父さん絵本です〉66 岩橋淳 たまごにいちゃん

 覆面よろしくカラから顔だけ出して、ぴょこぴょこ歩く、変なヤツ。スーパーで見かけるときは、「赤玉」と呼ばれるやつです。そう、サイズはきっと、「L」でしょう。なぜって? …だって、このたまご、中身は立派なオトナなんです。でも、カラから出たくない。だって、いつでもおかあさんに温めてもらえるから。勝手気ままに遊んでいても、「たまごだから」誰にも怒られないし。弟のひよこの方が先に大きくなったって、気にしません。だから、何かにぶつかったりしてカラが割れないように、歩くときには気を付ける。おせっかいないたずらカラスに追いかけられたら、一目散。ところが…!

  小さいときにちやほやされて、ちょっとカシコイ子は考える。そうか、このまま小さければ、ずーっとトクベツ扱いが…。本人がそれでイイならよしとします、か? でも、なりばかり大きくなって、おしりにカラをつけたままなのも、ねえ。カラッとユーモアたっぷりの本作では、カラダとココロの成長のバランスについても、考えさせられます。いい年したオトナコドモの目立つ昨今の病める人間界。何事もご愛きょうで済むうちが、華ですぞ。

  【今週の絵本】『たまごにいちゃん』あきやまただし/さく・え、すずき出版/刊、1155円(税込み)4歳〜(2001年)

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