2005年 8月 1日 (月) 

       

■ 目隠しして粘土細工 造形作家招き県内教員がワークショップ

     
  アイマスクをして制作した作品を鑑賞する参加者と西村陽平さん(右端)  
  アイマスクをして制作した作品を鑑賞する参加者と西村陽平さん(右端)  
  盛岡市本宮の県立美術館で28、29日の両日、教員講座が開かれた。今回は日本女子大学助教授で造形作家の西村陽平さんを招いて、ワークショップ「手で見てつくる」を実施。29日には県内の小中学校、高校、盲・ろう・養護学校などから、教員ら13人が参加した。

 前半では自身の指導記録ビデオを見せながら、粘土の創作活動について講話。後半では参加者たちが実際にアイマスクを付けて、視覚に頼らない粘土の造形活動を実践した。

  粘土は焼き物用のものを使い、一人20キロずつ配布。一つ目の課題は、アイマスクをした状態で、発泡スチロールの粒がたくさん入った箱に手を入れて、その触感と音のイメージを粘土で形にするというもの。

  西村さんは「自分の中で感じたものを形にしてほしい。上手、下手はないので、自分が何をつくるのかを確かめてほしい。ものをつくることは、解放されるということ。最初は緊張しているので、そこにいくまでに時間がかかるかもしれないが、解放されると気持ちがいい」と話した。

  同じ課題でもそれぞれが受けた印象は多様。感触については「気持ちがいい。ずっと触っていたい」「ビリビリして不安になった」と正反対の感想も。その音からは波や木のざわめき、木漏れ日などさまざまなイメージが生まれ、作品の中に反映された。

  藤沢町教育委員会の加藤均指導主事は「前半の講話で、見るという力以外に聞く、触るというほかの感覚を生かすことが大事と聞いた。現場では粘土造形が有効だとわかった。この体験をこれから子供たちに伝えていくのが次の仕事と思う」と感想。

  前沢養護学校で講師を務める喜田真淑さんは「つくる前は、目で見るよりも気持ちを表せると思った。実際にアイマスクを付けてみると不安感が強かったが、感覚が研ぎ澄まされるのが分かった。現場では知的障害のある子供に指導しているが、具体物ではなく、形のないものの制作を授業に取り入れるのもいいのかなと思った」と話していた。

  「面白い形がたくさんできた。実際に目で見ていたら、できなかった形が多いと思う」と西村さん。「現代では視覚中心になっているが、本来、視覚と触覚、そのほかの感覚を切り離して考えることはできない。今回のワークショップは、目を閉じて、粘土でつくることにより、五感で美術をとらえてみるという試み」と話していた。


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