2005年 8月 2日 (火)
■ 森と大地に生きるアイヌ民族 南昌荘でアシリ・レラさんが踊る
南昌荘の庭園で踊りを披露するアシリ・レラさん(左)ら
カムイ・ユーカラをはじめアイヌの伝統文化、生活風俗の伝承に努めるアシリ・レラさんを招いた「アイヌ民族の魂展」が7月29日、盛岡市清水町の南昌荘で開かれた。アシリ・レラさんの語り、一行の歌や踊りが披露された。
アイヌ民族のグッズや古着などを扱う雑貨屋ウポポが紺屋町に移転したのを記念して企画された。
北海道二風谷在住のアシリ・レラさんと子供や孫、めいが来県。親交のある本県の家族も加わり、踊りが繰り広げられた。
踊りと歌は南昌荘の庭園で行われた。太鼓の演奏で「ウポポ」や「ピリカピリカ」「イヨマンテ」、子守歌などを合唱し、子供たちが「アフンダハ」などの踊りを見せた。語りは「カムイ・ユーカラ」と「ウエペケレ」の中の「ウパシュクマ」という話が取り上げられた。
アシリ・レラさんは「これらの語りは道徳教育。特に子供に聞いてもらいたい。鳥の声、石や木が話す言葉を聞いていた時代があったことを伝えていきたい。人間は霊感が備わって生まれてきている。自然界に残っていれば、人間は動物的本能が磨かれる」と話す。「文明は滅びても人間が滅びることはないと思う」と言い、人間らしい生き方の大切さを唱える。
請われて国内はもとより海外に出向くことも多いアシリ・レラさん。「アイヌの文化が形だけになって、言葉を失い、文化伝承が少なくなっている」と話し、アイヌ民族の料理など文化が生きるためのものではなく、観光行事のためになっていくことに危機感を抱く。
危機感はアイヌ新法に対してもあり、新法と引き替えに先住権などの権利が奪われた結果として、アイヌの自立を妨げる危険があると指摘。このため「アイヌの人たちの生活する領域だけでも、森と大地のテリトリーを返してほしい」と訴えている。
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