■ 盛南産業用地へ第1号 東北化学薬品生命システム情報研究所
|
| |
|
|
| |
 |
|
| |
盛岡市大通3丁目の七十七日生盛岡ビル内にある東北化学薬品の生命システム情報研究所。バイオの知識とITを駆使して遺伝子の解析が行われている |
|
化学薬品総合商社の東北化学薬品(東康夫社長、本社弘前市、資本金約8億円)は、盛岡市大通にある生命システム情報研究所(小岩弘之所長)を、土地区画整理事業が進む同市の盛南地区に移設新設する準備を進めている。同研究所はコンピューターによる遺伝子発現データ解析サービスなど、ITとバイオ技術を組み合わせたバイオインフォマティックス(生物情報科学)ビジネスに取り組む。年度内に市との間で正式に立地協定を結ぶ予定で、盛南地区の産業等用地への初の立地企業となる。ITを駆使したバイオ関連事業は今後、急成長が見込まれる分野。市の関係者も関連企業の立地、集積に期待を寄せている。
同社は昨年7月に市内に研究所を立ち上げ遺伝子情報の解析サービスを始めた。化学工業製品、臨床試薬販売に続く、第三の柱としてバイオ関連事業に力を注ぐ方針で、5年後には同事業における総売り上げ20億円、研究所が手がける遺伝子発現解析サービスなどの販売利益合計を現在の約8千万円から3億円とする目標を掲げる。盛南地区進出に必要な約1億3千万円を調達するため、6月に23万株の第三者割当増資を実施した。
同研究所の主力事業はDNAマイクロアレイ(遺伝子情報を集めたガラス基盤)を使った遺伝子発現データ解析。大学や企業などの研究機関が蓄積した遺伝子情報をコンピューターで解析しフィードバッグする。膨大な研究データを抱えていながら、分析に時間がかかり、研究が進まない現状を打開するサービス。今年6月からはIBM社のコンピューターソフトを活用し過去10年間の論文情報から研究に必要な情報を的確に引き出す文献検索サービスも開始した。
研究所は現在12人体制で博士3人を含む11人の研究者が在籍。アウトソーシングされたデータの解析にとどまらず、ユーザーの実験計画についてもアドバイスできるシンクタンク機能を備えていることに特徴があるという。
既に全国の大学や企業から約80件のデータ解析を受注しており、岩手医科大学とも脳溢血(のういっけつ)の原因遺伝子を分析し診断や治療に役立てるための共同研究に取り組んでいる。
同研究所の調べでは04年の国内バイオ市場は1兆7470億円、抗体医薬品などバイオ医薬品は4391億円を占める。遺伝子情報の解析などバイオ関連技術は製薬、食品などあらゆる分野の開発研究で重要なウエイトを占めており、今後も需要は伸びるとみる。
同社の理事も務める小岩所長は「膨大な公的資金を投資したにもかかわらず、社会に還元できずに終わる研究がたくさんある。これまで蓄積された先端的情報知見を有効に活用したバイオITビジネスを展開することによって研究を加速させ、科学技術の成果を社会へ還元したい。地方から新たなビジネスモデルを発信する」と意気込む。
|
|
|
|
|
|
|