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前回のクイズの答えは「英語式語順よりも日本語式語順(主語―目的語―動詞、いわゆるSOV型)の方が多い」です。言語類型論者によってその%は少し違いがありますがこの事実は一致しています。6通りの基本語順のうち、ごく少数派の2つを除いた4つについての%は次のようになっています。
「ネコがネズミを追いかける」という日本語式語順のSOV言語は48%
「ネコ(が)追いかけるネズミ(を)」という英語式語順のSVO言語は32%
「追いかける ネコ(が)ネズミ(を)」というタヒチ語式語順のVSO言語は16%
「追いかける ネズミ(を)ネコ(が)」というタガログ語式語順のVOS言語が4%
学生に英語式語順と日本語式語順のどちらが多いかを質問すると、英語式語順の方が多いと思っているようです。
受験時代から英語で苦労し、大学にきてからもドイツ語、フランス語、ロシア語のどれかを選択すると、それらもまた基本的にはすべて英語式SVO型言語、それに語族が違う中国語まで例外的にこの語順なのですから無理もないことです。
ここで注目すべきことは、日本語と同じ基本語順をとる言語の方が多いといっても、その中には近代科学を発展させた国や植民地を多くもっていた国や、経済的、軍事的に影響力の強い国が含まれていないことに気づくでしょう。
英語国の中には、産業革命をしたイギリス、超大国となったアメリカなど政治的、経済的、軍事的に影響力の強い国が含まれています。そういう国の言語がはやるのです。これは言語的にはまったく偶然のことです。英語がすぐれた言語であるとかいうことは決してないのです。日本語もバブルのころは世界の多くの人々が学んでくれました。それはやはりビジネスにつながっていたからです。
いま、英語国の人々は言語的に有利です。世界中の人々が自分たちの母国語を学んでくれるのですから。人はだれでも自国語で思考し論理をくみたてる方が外国語でやるよりも強いのです。
今や、英語の勢力は強大で、その影響で絶滅の危機にある言語が多数あるのが現実です。1992年ケベックでの国際言語学者会議のテーマはEndangered Languages(絶滅の危機にある言語)でした。そこでも方言保存の重要性が再確認されました。(言語人文学会会長)
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