夏の太陽が照りつける昼下がり。なぜだか、だあれも見あたらない。ともだちの姿を求めて、知らず知らず鎮守の森まで来てしまった、かんた少年。遊び相手のいないむしゃくしゃを、口からでまかせ、めちゃくちゃの歌に託したら…?
ぽっかり開いた、異界への入り口。スッポリ吸い込まれてさまよい出た夜の山で出会ったのは、ふしぎな3人組。それは、人のようで人にあらず、大きな口をカッと開いたキツネ面お祭り装束の大男、あかい髪振り乱して笑う子鬼、巨大な才槌(さいづち)頭の老人。で、出たーっ!?
遊ぼうと誘って断られれば泣き出すわ、遊ぶと言えば順番争いでケンカするわで実は無邪気(鬼?)な面々、つきあってみればそれぞれが得意ワザを繰り出して、これが楽しいのなんの。ついつい時の経つのも忘れて遊びほうけてしまったけれど…。
世の中が明るくなりすぎて、追われていったものたち。そして街角だけではなく、こどもの心の中からも大切な何かが消え去ってしまったような気がします。この作品を愉(たの)しむ心のゆとりが、こどもに手渡すおとなにも残っているかどうかも問われているんです。
【今週の絵本】『めっきらもっきら どおん どん』長谷川摂子/作、ふりや なな/画、福音館書店/刊、840円(税込み)4歳〜(1985年)
|