2005年 8月 15日 (月) 

       

■ 〈3年目のイオン(下)〉商店街は対抗できるか 独自路線で道を開く

     
  独自の道を歩んで売り上げを伸ばしている店舗もあるホットラインサカナチョウ  
  独自の道を歩んで売り上げを伸ばしている店舗もあるホットラインサカナチョウ  
  「イオンの集客力はすごい。態勢がしっかりしており、これまで商店街で行っていたようなイベントも行われている」「当衣料店は前年割れで厳しい。イオンに食われた面は否めない。販売方法を学ぶ必要がある」「イオンのテナント間でも格差が出ているようだ。市内の各商店街でも、業種間より個店での格差が広がっている。独自色を出さないと」「第2イオンが来ても早々対策があるわけでない。地道なイベントを続ける」−。声はさまざまだ。盛岡市の中心市街地の商店主らは、イオン盛岡SC(ショッピングセンター)の過去2年の業績や盛南地区に進出予定の仮称・イオン盛岡南SCの動向などを冷静に受けとめながら、各商店街や個店の独自色をより鮮明に出す方向を強めている。(大森不二夫記者)

 市内の各商店街では恒例の夏祭りのイベントを終えた。盛岡市肴町商店街振興組合の繁田秀二理事は「当商店街への影響度がどのくらいあるのか判断はできないが、冷暖房完備の巨大施設のイオンへ家族連れで行くのは理解できる。商売は各個店の努力が基本。もちろん商店街としての集客力も大事だが。いずれ盛南地区には第2のイオンも来るそうなので、イオンの販売手法にも学ばせてもらいながら、店も商店街もさらに独自性を出したい」と冷静な対応を考えている。

  同商店街は、衣料店間では前年比減の店舗から、前年比増の店舗までまちまち。前年比増という「ふりーたいむ」では「イオンの影響を受けた店もあるようだが、当店は来店客数も売上額も上向き。流行しそうな衣服やアクセサリーなどを適宜仕入れている。他にない商品があり客が客を呼ぶ」と、独自色を打ち出している。

  「いずみや」では「7月中旬までの冷夏の影響で動きが鈍った時期もあったが、夏本番で夏物衣料の動きが出ている。イオンとは客層もまったく違い固定客も多いため、ほとんど影響はない」とやはり独自路線を展開している。

  同市内丸の「モードかわむら」では「中心市街地の衣料店で順調に売り上げを伸ばしているのは少ないのではないか。イオンだけではないだろうがイオンの影響は否めない。第2イオンが来ればなおさら。市内の商店街でもイベントも途切れなく行わなければ来街者数は増えない」と、商店街としての対応の必要性を指摘。

  大通商店街には県内外の居酒屋や飲食店が増加の一途をたどっている。大通地区で多店舗展開を続けている真珠苑の鈴木稔社長は「大通地区に活気があるから。県外からの大手チェーンが軒並み進出するのはポテンシャルがある地区だから。地場が激戦に巻き込まれる厳しさはあるが負けない気概だ。これからも大通地区はさらに新たな店舗が誕生し、にぎわう」と飲食ゾーンとしての優位性を強調した。

  盛南地区には仮称・イオン盛岡南SCの進出が予定されている。独立行政法人都市再生機構岩手都市開発事務所の小林一所長は「イオン盛岡南SCは来年の秋にオープン予定。これから手続きを進めることになる。予定地付近の沿道にはヤマダ電機のほか、ガソリンスタンドや自動車販売会社などもできた。イオン盛岡南SC前のホーマックも工事に入った。来年の春に完成する」と盛南地区の動きを示した。

  盛岡大通商店街協同組合ユースクラブの佐々木俊幸部長は「どの業種でも出店は止められないし自由。郊外にイオンが多店舗で進出するように、大通にも地場や県外大手が多店舗展開する時代。大きく変わる。大通は飲食ゾーンになり仙台市の国分町のようなストリートになるかもしれない。県外大手でも組合員に入る店もある。いずれ中心地を活性化することが当クラブの役目。郊外に負けないよう若者の力を借りて各種イベントを行う」と言う。

  盛岡商工会議所の泉沢力事務局長は「既存店の相談や支援を地道に続けるしかない。現行の大規模小売店立地法では商業調整はできない。当会議所では日本商工会議所と一緒に同法も含めたまちづくり3法の見直しの陳情を行っている。早々に見直すよう期待したい」と話した。

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