はくちょう座やわし座など雄大な広がりを持つ星座や、ベガなど明るい星を持つ星座は注目の度合いが違います。
そんな中、こじんまりとたたずむ目立たない星座、小さな星座たちにも時には目を向けて見たいものです。おなじみの夏の大三角のあたりにはこれらかわいらしい星座がいくつかあります。それらの星座の中には、望遠鏡の手助けも必要ですが興味深い天体がひそんでいることも見逃せません。
はくちょう座とわし座の間にあって天の川の東岸の位置にはいるか座があります。いるかの頭から胸にかけて4等星と5等星の4つの星が小さな菱形を作り、ここからしっぽを作るようにして2つの星が並んでいます。
大きさ形ともすばるのような感じ、あるいはギリシャ文字のρ(ロー)の裏返しの格好です。ギリシャ神話に登場するいるかは、シチリー島の音楽祭の帰途に海賊たちによって海に放り投げられた音楽家アリオンを助けたという愛すべき生き物です。
いるか座の東隣にはこうま座という、これまたいかにもかわいい名前の星座があります。北天では一番小さい星座で、全天でもみなみじゅうじ座に次いで2番目の小ささです。神話では、ずいぶん大きさが違いますがかの天馬ペガススの兄弟ということになっています。
こぎつね座というこれも愛らしい名前の星座がいるか座とはくちょう座の間にあります。一番明るい星でも5等星ですから、肉眼ではよほど空の暗い所でないと見つけ出すのが困難です。きつねだからもともと人前には現れないのでしょうか。この星座には亜鈴状星雲というニックネームを持つ惑星状星雲があります。
いるか座の西隣、わし座とこぎつね座にはさまるようにしてほっそりとした、その名もや座という星座があります。キューピット(エロス)の矢と言えば、星座は知らなくてもああその矢なのかと思われる方も多いことでしょう。矢を射られた人は恋に胸焦がし苦しみます。金の矢で二人に恋が芽生え、銅の矢で恋が冷めていく…さあ、あなたの矢は?。
小さくとも魅力あふれる星座たち。それはまるで、都市の規模や内容は東北の大都市に劣ってはいても女性と言葉の美しさで圧倒的優位にある盛岡のまちのようでもありましょう。(盛岡天文同好会会員)
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