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演奏する及川さん(右)と朗読の小野寺さん |
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雫石町のしずくいし音楽館で8月28日、「チェンバロ物語」コンサートが開かれた。盛岡市出身でイタリア・アジアゴ在住の演奏家及川彩子さんのチェンバロ演奏と童話作家小野寺悦子さんの朗読、声楽家丸岡千奈美さんのソプラノをジョイントさせたコンサート。サロン的な雰囲気の中、古典楽器の魅力があふれた。
コンサートは2部構成。及川さんのソロ演奏による前半はチェンバロの初期から後期までをたどる歴史物語。時代時代の代表的作曲家の楽曲演奏を通じて、ヨーロッパ音楽の香りを運んだ。オープニングはクープランの「フローベルガーにささぐ小節線なしのプレリュード」。17世紀に作られたこの曲の楽譜は五線譜に全音符が並べられただけで、演奏家に任せられる作品を、古典性を維持しながら耳なじみのいい曲想で演奏した。
時代はさかのぼって初期の代表としてスウェーリンクとフレスコバルディのそれぞれのトッカータを演奏。演奏には1450年代半ばに誕生したころのチェンバロを再現した4オクターブのイタリア・チェンバロを使った。
この16〜17世紀の作曲家に対し、バロックを確立した一人ヘンデルの「パッサカリア」、バッハの「トッカータ ニ短調BWV912」は洗練さが増し、時代の違いを感じさせた。もう一人取り上げたのはフランスのバルバトル。フランス革命直前はベルサイユ宮殿に出入りし、マリー・アントワネットにチェンバロを教え、貴婦人の名を冠した曲を作っていたが、革命後は市民の立場で作曲した逸話を紹介。「ラ・デリクール」を演奏した。
後半は小野寺さんが自作の物語「おばあさんとねこ〜マフラーだいかんげい〜」を朗読。ラモーの曲を主体に及川さんが演奏、終盤は丸岡さんが「妖精のアリア」などを歌ってクライマックスを迎えた。及川さんは前後半を通じて4台のチェンバロ、アンコールではピアノを弾き分けた。
毎年帰国しては、岩手山を見て「ふるさとの山はいいな」と思っていた及川さん。眺望の良いしずくいし音楽館を2〜3年前に知り「いつかこのすてきな場所で演奏したいと思っていた」という。
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