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橋本哲郎さん |
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盛岡市本町通2丁目の橋本哲郎さんがこのほど、東京で開かれた第26回全国水墨画秀作展(全国水墨画美術協会主催)の特別賞の部で、厚生労働大臣賞を受賞した。掛け軸だけで競われる同展は、特別賞と一般の部の2部門で構成。同協会理事と無鑑査を対象にした特別賞の部に、今展では9人が入賞した。
受賞した作品は「十一面観音立像」。大胆にぼかした薄墨で自然の風景を表現し、繊細な線で観音の姿を描き出した。
迷い込んだ深い山の中、ふと上げた視線の先に現れた、この世のものではない姿。自然とともに生きた時代の人たちは、木立の奥や岩場の陰に、あるいは見ることがあったかもしれない。自然の中に宿る仏の姿を、凛(りん)とした線で描き出している。
橋本さんが師事する日本表現主義主宰の岩ア巴人さんは、今回の受賞について「般若心経の心を観音に形をかりて描いている。だから山川のどこにでも観音はいますのである。その現実に根ざした観音図はここ数年来、話題になっていたが、今回、それが最高賞として認められ、観音とともに橋本芸術は、岩手の山河にかがやいている」と言葉を寄せた。
橋本さんが長く続けてきた油彩から水墨画に転向したのは1989年。翌年の第1回県水墨画展では初出品で優秀賞を受賞。その後、国内外でさまざまな賞に輝く。全国水墨画秀作展では、第22回展で東京都議会議長賞、第24回展で芸術文化賞を受賞した。
水墨画を始めたころから、一貫して仏画に取り組む。「自分が育ったころは、仏に手を合わせる教育を受けたが、今は宗教心のない世相。こういう時代だからこそ、自分のような作品があってもいいのでは」と思う。
白と黒の2色しかない水墨画は、たくさんの色を使う油彩よりも難しいが「その分、ストレートに伝わる感じがする」という。多彩な墨色に彩られた仏像の姿が、人々の心を引き付けている。
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