2005年 9月 11日 (日) 

       

■ 〈父からの手紙〉24八重島勲 深く慎み学術のみに一意専心せよ

 ■35 はがき 明治33年11月26日付
 
  宛 盛岡市馬場小路照井勝知方止宿
  発 不明 
前畧本日紺屋町齋藤旅舎投宿罷在候、午后五、六時頃同所ニ耒ルベシ、余者面會ト申残ス
  十一月廿六日      野村長四郎
 
  【解説】「前略本日紺屋町の斎藤旅舎に宿泊している。午後5、6時頃同所に来ること。余りは面会に申し残す。早々」という内容。

  11月5日、8日田村旅店泊。10日、26日斎藤旅舎泊、と立て続けに4回宿泊。その都度長一を呼び寄せ何をか話し合っている。上級学校進学のことなのか、あるいは結婚のことなのか、この文面からは全く読み取る事ができない。
 
  ■36 はがき 明治33年12月9日付
 
  宛 盛岡市馬場小路照井勝知方
  発 不明 
前畧今夜齋藤投宿致居候ニ付用事有之候ハハ来ルベシ
  十二月九日
             野村長四郎
 
  【解説】「前略今夜斎藤旅舎に泊っており用事があるので来るように」という内容。
  11月26日付のはがき同様、これだけでは内容が全く分からない。
 
  ■37 巻紙 明治33年12月20日付
 
  宛 盛岡市馬場小路照井勝知方
  発 紫波郡彦部村 
前略書面到着ス、陳ハ本月分食費金五円送金候ニ付小使(遣)共ニ合セ可申候、他家ニ余リ厄介ニ相成ルモ気毒ニ候、試検(験)済次第帰宅可致候、自燃(然)検トハ能キ見込ミナルモ自然監督ナキ時ハ将来失敗ニ毀入ル(陥ル)事モ慮ル次第ニ候、篤ト推考尚々推考然ル後発表スル様可致候、殊ニ年輩ノ今ト相成候テハ人ニ悪評セラルゝ如キ有之候而者学生ノ前途大ナル妨害ニ相成モノ深ク身ヲ謹慎学術ニノミ一意専心励勉可致候、必ラス学友ヲ選ミ交誼ヲ相需ムル様注意可致候、書籍ノ如キ最(際)限ナク購求スル如キハ少シク見合候様可致候、乍繰言可相成廿五日ニハ帰宅スル様尤モ通知アル時ハ畑山留吉ヲ荷物負ヒニ可遣候、免ニ角一報可致候、余者帰宅面願申残ス、早ゝ
  十二月廿日         野村
     長一殿
 
  【解説】「前略書面が着いた。本月分の食費5円送付するがこれは小遣銭合わせての金額である。他家にあまり厄介になるのも気の毒である。試験が済み次第帰宅せよ。自然検とは、よいようだが監督されないと将来失敗に陥るおそれがあるように思われる。とくと考え推しはかって、その後発表するようにせよ。殊に年輩となった今、人に悪評されるようであっては学生の前途に大いなる妨げになるので深く慎み学術のみに一意専心勉励すること。必ず学友を選んで交際するよう注意すべし。書籍なども際限もなく買うことなども少し見合わせること。繰り言ながらなるべく25日には帰宅するように。もっとも知らせがあれば畑山留吉を荷物運びに差し向ける。とにかく一報するように。余りは帰宅したときに申し残す。早々」という内容。

  文中「自然検」「自然監督」「篤ト推考尚々推考然ル後発表スル様可致候」の意味、内容が、わたしには分からない。このとき長一は4学年、18歳。同級生では年齢的に高い方であるので、父は何事にも慎重にゆくべきとたしなめている。そして一意専心の勉励、良き友を選び交際せよ、本なども際限もなく買わないようにせよと注意を喚起している。

  25日には必ず帰宅するよう促していることにも何か差し迫った相談事がありそうだ。

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