■ 〈衆院総選挙〉風は吹かなかった 本県の民主王国は揺るがず
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比例復活の可能性を信じ開票結果を見守る畑氏陣営(12日未明、久慈市の事務所) |
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本県では今回の総選挙は小選挙区、比例区とも03年11月の前回総選挙と当選者が変わらなかった。表向きにはこう着状態で終わった自民、民主の対決だが、全国の情勢をみれば、本県の民主は大健闘したと言えるだろう。自民は2区で改選時議席を死守するのが精いっぱいで、民主の攻勢に防戦一方になった面は否めない。敗北の引責で執行部が辞職する民主党は、本県選出の小沢一郎氏の出方が注目される。
自民党は1区で及川敦氏、3区で橋本英教氏が次点に終わり、惜敗率による比例復活もできなかった。自民党県連の佐々木大和幹事長は12日、「岩手県には風が吹かなかった」と述べ、全国的な自民圧勝の流れを誘導できなかったことを認めた。
「マニフェスト選挙だったので一定の理解を得ているという期待感があったが、残念ながら当選までに至らなかった」と述べ、本県は全国と別の局面に置かれた認識を示した。
2区は県連会長の鈴木俊一氏が死守し、4区では前回同様に玉沢徳一郎氏が比例当選した。「2区と比例の2人の現職を守ることは、最小限やらなければならなかった」と全力で踏みとどまったことに評価をにじませる。
民主党県連の達増拓也代表は12日、2区の敗北を踏まえ、「目標を達成できなかったので勝利とは言えない。やろうと思えばできたところもあるので、もう少しで力及ばず、勝利とは言えない」と述べ、全国的な大敗に衝撃を隠さなかった。
ポスト岡田体制については「わたしとしては小沢さんありきということで代表選の小沢選対をつくろうと突っ走るのでなく、党再生の挙党体制をつくる。その中で小沢一郎的な中身になると思うが、方向性、政策、自由党的と言っていいと思う明確な理念と政策を旗印にして戦っていこうという方向に認識を共有する」と党再建への見解を述べた。
次期代表の人事については「選挙が終わってから世の中の情勢を見極めつつ具体的にだれにするかは第2段階として決めること。昨年の場合は第2段階のところでやはり岡田代表の方がいいという一ひねりがあった。小沢さん中心にやっていこうと党が一本化された場合でも、代表が小沢さんかというとそうとは限らないことがある」と述べた。
■岩手2区で民主の新人が健闘
全国的な自民への追い風で始まった選挙戦だったが、日を追うごとに地力で勝る民主が巻き返し最後は選勢が不明になるほどまで自民を追いつめた。短期決戦であったことが本県で唯一残された自民の牙城を救った。
岩手2区は自民前職の鈴木俊一氏(52)が6選。その一方で、敗れた民主党新人の畑浩治氏(41)は比例東北ブロックで、もう一つの戦いを12日未明まで繰り広げた。最後は惜敗率が福島5区の吉田泉候補にわずかな差で及ばず議席を逸した。
11日午後10時45分すぎ、久慈市の選挙事務所で畑氏が敗戦の弁を述べたあと、選対の平野達男参院議員は力強く言った。「まだ大丈夫だ」。鈴木氏とは約2万3千票差まで差を詰めた。前回15年の工藤堅太郎氏の惜敗率を上回った。
比例東北で民主は5議席を獲得。宮城1区、青森1・3区、山形2区が復活当選し残る5番目の議席をめぐり、畑氏と福島5区、宮城3区の候補との戦いが演じられた。畑氏は惜敗率80・8%。他の2選挙区は開票が未明にもつれた。
最初に宮城3区が脱落。残る福島5区は午後1時半すぎ開票率95%で惜敗率が畑氏を上回った。陣営は残る5%、約5300票の行方を推計して可能性に賭けたが帰途に付く支持者も出始めた午前1時50分すぎ敗北が決まった。
選対本部長で参院議員の工藤氏は「畑君は初めてにもかかわらず健闘した。人物も素晴らしい。必ずこの地で国会に送り出すのが使命」と無念さをにじませた。畑氏は事務所に姿を見せなかった。
2区では、鈴木氏の強固な地盤である宮古市・下閉伊でつけられる差を、同市に次ぐ大票田・滝沢村を含む岩手郡でカバーするというのが畑陣営の目論見だった。その滝沢村で畑氏は約500票差で鈴木氏を上回った。しかし他地域では劣勢をひっくり返すまでにはいかなった。
滝沢村は鈴木氏が特に力を入れた地域。当初から自民優勢と伝えられ、鈴木陣営も自信を持っていた。畑陣営も当初は劣勢を意識していた。ところが選挙終盤から一気に盛り返した。全国的に自民優勢が伝えられる中で、有権者が意識的に反自民に動いたことも予想される。
鈴木陣営にとって、結果的には大差で勝ったものの滝沢村での「敗北」は大きな衝撃となった。
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