盛岡市教育委員会教育長の石川悌司氏(68)の退任式が9月30日、市役所都南分庁舎で開かれた。市内の学校長や教育委員会の関係者ら約200人を前にあいさつし、教育に真剣勝負で挑んできた思いを語った。
石川氏は「一度たりともいやだとか、苦しいとか思ったことはない。教育の現場は常に緊張感があり、妥協が許されない」と教育長として全力で臨んだ5年間を振り返った。
教育長就任中は遺跡の学び館の開設、学校給食のあり方の検討、松園公民館の整備、教育ビジョンの策定など、市財政が苦しい中、山積する課題にぶつかった。これらの取り組みの成果についても「妥協を許さない検討の結果、得たもの」と語り、いろいろな意見がある中で、粘り強く問題と向き合い結論を導き出してきた自信をにじませた。
教育分野にも効率性や改革が求められる場面が増えた。時に私意的な要求がつきつけられることもある。「公共の福祉を除き、教育では、それを絶対に許してはならない。各学校や教育委員会がそれぞれの場で実践してほしい」と話し、あるべき姿を貫く強さを後進にゆだねた。
八巻恒雄教育委員長は「変革の中でぶれることがない教育を推進した。数々の実績の根底には人格者、教育者としての優れた行政手腕があったが、情の人でもあった」とねぎらい、集まった関係者は大きな拍手を送った。
石川氏は仁王小学校長、県教委盛岡教育事務所長、県総合教育センター所長、富士大教授などを経て2000年10月から盛岡市教育長。「教育現場も教育行政もそれぞれ楽しさがあり、責任がある」と話す。「成果は最終的に子供一人ひとりに返る。子供にとっては現場も行政も同じこと。市民の手で市民のための教育を進めてきた盛岡の風土を引き継いでいってほしい」と願う。
「教育が施政の中心であるべき。教育がまちづくりにつながり、日本の再生、世界の振興につながることを忘れてはいけない」と繰り返した。 |