2005年 10月 8日 (土) 

       

■ 〈美術〉幼子を抱く母の表情豊か 長内努彫刻展

     
  白堊記念会館で彫刻展が開かれている長内努さん  
 
白堊記念会館で彫刻展が開かれている長内努さん
 
  第24回白堊記念館特別企画展・長内努彫刻展(盛岡一高主催)が、盛岡市上田の同校・白堊記念会館で10日まで開かれている。1977年の卒業生で、彫刻家の長内努さん(47)=滝沢村=の新旧の木彫・石彫を展示。母校での個展となった長内さんは「振り返ると、わたしの創作のスタートは高校時代だった。最近の仕事を見てもらうとともに、今後の方向性も打ち出したい」と話している。

 同企画展は、同記念会館が建設された1982年に第1回「中井汲泉アンコール展」が開かれ、同校ゆかりの美術家らを紹介してきた。長内さんは、84年の「白堊若手彫刻家三人展」に出品以来の参加になる。

  展示作品は、2002年以降に制作された木彫を中心とする11点。02年作の「森を演ずる男」から03年作「IONIC VENUS」、04年作「大空のカリアティード」(いずれも木に着色)への流れは、フォルムを洗練させつつ存在感を増そうとする作者の挑戦。母子像を表現した最新作「いま確かなもの」(05年作、木に着色)では、幼い子を抱く母の表情をより豊かにし、精神的なものをにじませた。 

  近年の演劇(舞台美術)の仕事に触発された「自分を演じるために」(05年作、大理石)も出展。頭部を欠いた像は、誰かの肖像なのか仮面なのか、危ういバランスで見る人を引きつけている。

  長内さんは、盛岡一高で演劇部に所属。同期生には彫刻家の伊藤馨一さん、後輩には小説家の久美沙織さんらがいた。本格的に彫刻を始めたのは岩手大教育学部特設美術科に入ってからだが、演じることが好きで横尾忠則にあこがれた高校時代の活動は、今の仕事にもつながっているという。

  「当時は演劇と美術は遠い所にあると思っていたが、そうではなかった。盛岡の劇団と寺山修司らの演劇を作っていく作業は、彫刻制作への刺激にもなった。若い人たちも今好きなこと、興味のあることを大事にしてほしい」と話していた。

  長内さんは盛岡市出身。1979年から盛岡彫刻シンポジウムに参加。98年岩手県美術選奨、99年第4回もりげき演劇賞舞台美術部門賞受賞。矢巾町文化会館(田園ホール)の「リラを抱くヴィナス」、玉山村総合体育館の「VENUS−姫神」ほか、公共施設などに多くの作品が設置されている。


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