2005年 10月 13日 (木)
■ 赤外線データ放送を携帯電話で 県立大の蔡助教授が実証研究
開発された携帯電話(写真中段)、電球(同上)で赤外線データ放送を送受信するデモンストレーション(5日、県立大学生ホール棟)
県立大ソフトウエア情報学部の蔡大維(さい・だい)助教授らの研究グループは赤外線データ放送受信機能搭載の携帯電話と同放送送信機能を持つ電球を開発した。不特定多数へ一斉送信でき、受信側の低消費電力につながるなど利点が多い。岩手発の新技術として実用化へ実証研究を重ねる。
赤外線はテレビのリモコンなどに使用される。無線と違い電波の干渉を受けない。
蔡助教授らは赤外線の特性に着目。赤外線データ放送システムの実証研究を行い、昨年同システムを開発。放送端末から送信装置を経て専用のPDA(携帯情報端末)で内容を受信後、携帯電話に転送して閲覧するもの。
今回はソニー・イーエムシーエス千厩テックの協力で受信機能を内蔵した携帯電話機を開発した。PDAを経由せず送信装置から直接情報内容が受信できる。利用者はQRコードのような読み取りや接続操作をしなくても、片手のボタン操作一つで受信、情報閲覧が可能。
同システムは通信速度を維持したまま一斉に不特定多数の受信者へ送信が可能なことが特徴。115キロbps(ボー)の通信速度は1秒間に全角文字で5千字、半角・アルファベットで1万字に相当する。通信速度16メガbpsの技術も確立している。
ほかに送信装置からの受信可能距離も数十メートルに拡大させ、動画配信も可能だという。
蔡助教授は「実用化しやすくなり、社会インフラとして防災、商業、教育、観光などさまざまな分野に展開できる。具体的には災害時の避難情報やイベント・商品情報の提供など。普及できれば便利な新しい通信方法、通信方式の確立で新産業なども構築できる」と期待する。
観光地で災害が発生した場合、携帯電話の回線がパンクしていても避難場所の情報提供が可能と例を挙げる。「ユビキタス社会では無線だけでなく光通信が絶対必要になる。一つの方法だけでなく携帯電話が混線しているときにも対応できる、多様性のある技術が必要だ」と話す。
同じく開発した電球には、超小型の送信機能を埋め込んだ。周辺の景観を損なわず設置でき、1個100円の低コストで取り付けられる。実用化すれば誰でも情報を発信できる。今回は試作品で送信範囲は5メートル以内だが、技術的には30〜50メートルまで送信可能という。特許も出願した。
今後は携帯電話機メーカーから60台の提供を受け、各産業分野で実証実験するなど、実用化に取り組む。
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