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歴史的な景観が残る「ござ九」前を行く馬車 |
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盛岡に馬車を走らせる社会実験が5日、実施され、八幡町から上の橋までの約1・6キロのコースを馬車が往復した。明治、大正期の風情をほうふつとさせながら進む馬車に、沿道の市民も足を止めて眺め表情を緩ませた。関係者は定期運行の実現に期待を膨らませていた。
社会実験は、盛岡の馬事文化を観光振興やまちの活性化に生かそうと、民間有志を中心に官民で組織した馬をめぐる地域まるごと体験交流連携事業実行委員会(玉山哲代表)が企画した。馬車の御者は玉山村下田で牧場を営む八丸健さん(35)、由紀子(35)さん夫妻が担当。運行前に馬車の可能性や課題を探る市民参加型のワークショップを2度にわたって開催し、この日に臨んだ。
馬車は盛岡八幡宮を出発し、啄木賢治青春館、岩手銀行中ノ橋支店、紺屋町番屋などを通り上の橋へ。午前と午後、2種類の馬車を走らせ、谷藤裕明盛岡市長やフリーアナウンサーの畑中美耶子さん、八幡町第2、第3町内会の子供たちなどが乗りごこちを体験した。
青空に紅葉が映える絶好のコンディション。大正ロマン風の着物姿で乗車した同市北松園の小舘栄子さん(48)は「盛岡の景色と馬車はぴったりですね」、同市上堂の会社員高橋明日美さん(25)は「思っていたよりずっと快適。若い人からお年寄りまでみんな笑顔で迎えてくれた」。山王小6年の鈴木優海さん(12)は「遊園地に行っているみたい。馬を操っている人の言葉も面白い。また乗りたい」と喜んでいた。
沿道では大勢の市民が足を止め馬車を見物。八幡町で八百屋を経営する佐々木雄一さん(56)は「博労(ばくろう)も行き来した、馬とはなじみの深い街。街の起爆剤になってくれれば」。同市加賀野の及川勝哉さん(79)は「人力車が通っていた時代を思い出す。ぜひ頑張ってほしい」と昔を懐かしんでいた。
市街地の一般道を走行する初めての実験のため、交通整理係を馬車の前後に配置した。交差点などでは車が渋滞する場面もあり同市三本柳の団体職員吉田好幸さん(33)は「交通整理がちょっと大変そう。定期運行のためには車との関係が課題ですね」。谷藤市長は「実験結果を検証し、発展的な取り組みにつながることを期待したい」と話していた。
実行委員会では社会実験でのアンケート結果をもとに、ルートの安全性や採算性など将来的な定期運行に向け検討を進める。実行委員会の寺井良夫さん(47)は「手応えは十分。来年度、さらに本格的な実験に取り組みたい」。八丸さん夫妻は「馬車で盛岡を走ってみて素敵な宝物がたくさんあることに改めて発見した」「車とは違う魅力があることを大勢の人に知ってもらえたら」と夢を膨らませていた。
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