2005年 11月 6日 (日) 

       

■ 〈雑誌創刊号の話〉227 成ケ澤栄治 ファィトマン

 昭和44年は、『少年ジャンプ』『少年チャンピオン』『週刊ぼくらマンガ』など、少年漫画週刊誌乱立の年でした。これら週刊誌を舞台に、楳図かずお「おろち」をはじめ、さいとうたかを・真崎守・望月三起也・ジョージ秋山らの漫画が話題となりました。

  一方大人(大学生?)向けの漫画週刊誌も創刊・廃刊を繰り返えし、あたかも終戦直後の「カストリ雑誌」の様相を呈するのです。

  ご提供頂いた雑誌創刊号の多くがこれに類するものでありましたが、多種多様でなかなかにコメントも難しく、ご紹介するまでには至りませんでした。そこで、漫画誌ではない総合誌から1冊を選びました。

  昭和44年12月、『週刊実話』の姉妹誌『ファィトマン』(B5判・180ページ)が、日本ジャーナルプレス新社から創刊されました。

  創刊の辞も編集後記もありませんが、姉妹誌『週刊実話』の「すべて愛読者の諸君にご判断はお任せいたします」とする編集スタイルを、『ファィトマン』も踏襲していると思われます。

  この年8月、あの「男はつらいよ」の第1作が公開されました。その寅さんこと「渥美清」が早速『ファィトマン』に登場するのです。芸能ワイド「アツアツ新婚スターの愛情診断書」のなかで、「十一年の愛が実る」のタイトルです。

  「丈夫で長持ちが看板の渥美夫妻は評判がいい、なにせ正子夫人(24)は渥美が、相手が中学生のころ見染めて、じっと成長を待っていたという惚れこみようだった…」と、経緯を報告するのです。

  結婚は、脳軟化症の渥美の母親を安心させるため抜き打ちに行ったこと。東急アパートに住み、正子夫人は古風な母に仕え、渥美をリードしていること。渥美もマコちゃんと大事にしていることなど、それこそ克明に…。

  渥美は私生活を明かさない俳優で通ってましたが、この時分にはこんなにもあからさまだったのです。

  竹中労の「くたばれ!紅白歌合戦」は、NHKの保守的体質と融通性のない出演者選考を衝くのです。

  しかし「暴力団との関わりがあると美空ひばりを切り捨て、企業名は好ましくないと山口百恵の歌詞を変更させ、清れん潔白で明瞭な日本語で歌う歌手こそが望ましい」と頑固だったころの方が、雑多で奔放で何でもありの昨今の紅白よりは、ずっと立派です。

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