10月30日に最接近を迎えた火星は、日に日に遠ざかりつつありますが、それでもなお最接近の時に比較して11月半ばで9割5分くらい、11月末には9割くらい、12月半ばでも7割ぐらいの大きさを保っています。このように、もうしばらくは去りゆく火星を望遠鏡のレンズを通して楽しむことができますのでぜひ見ていただきたいと思います。同じくらいに大きく見える次のチャンスは約12年後となります。
火星は今、おうし座という星座にありますが、火星の東側(左側)の火星から握りこぶし1つ半離れた位置に、目を凝らして見ると星がごちゃごちゃと集まっているのに気づかれるでしょう。有名な「プレアデス」星団です。
生まれたばかり(生後2千5百万年)の未熟な星たち4、5百個の集団ですが、肉眼では普通の視力であれば6個の星が羽子板の形を作っているのが分かります。そこから六連星(むつらぼし)の和名もありますし、ごちゃごちゃぼしとか、はごいたぼしのニックネームでも親しまれています。ギリシャ神話では7人の姉妹となっており、それではあとの一人分の星は?…いまだ謎とされています。
さて、プレアデス星団の下方に火星ほど明るくはありませんがやはりオレンジ色をした星が、またたいています。おうし座の主星アルデバランで、ちょうどおうしの右目の位置にあたります。アルデバランは直径が太陽の50倍もある大きな星で、プレアデスの星々とは反対に年をとった星です。
また、この位置にはヒアデスという名前のV字型の星の並びがあって、プレアデス同様散開星団と呼ばれる150個もの星の集団です。アルデバランはたまたま同じ位置にあるものの、星団とは関係がなく、わたしたちからの距離はアルデバランが70光年でヒアデス星団の約半分の近さです。
ヒアデス星団は秒速40キロ以上の猛スピードで動いていて、5千万年後にはオリオン座のベテルギウスの近くまで移動していると計算されています。
このヒアデスのVの字はおうしの顔と頭の部分に相当し、ここから生える2本の角の先には、向かって左の角の先には3等星、右の先には2等星があります。2等星のベーター星はぎょしゃ座が五角形を作るのもお手伝いしています。3等星のゼータ星のすぐそばには記念すべきメシエ番号一番の天体であるM1「かに星雲」があります。今から950年前の超新星爆発の残がいで、広がるガスの形がカニに似ていることからついたニックネームです。(盛岡天文同好会会員)
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