2005年 12月 1日 (木) 

       

■ 〈校長室の窓から〉28 野口晃男 不安は人生の楽しみ

 担任が発行する学年通信や学級通信にはできるだけ校長か教頭が目を通すようにしています。間違いがないかを見ることが目的ですが、もっと大きくは、学年や学級の予定を知ること、そして子供たちの様子をできるだけ詳しく知ることが目的になっています。

  きょうもある低学年の学級通信が机に載っていました。
   ◇   ◇
  新しい班ではじめての班長がドキドキ。
  朝自習のかかりなので、はじめての朝はドキドキしていた。班長を決めるとき、わたしが「わたしは班長になりたいんですが、みんなはどう思いますか」と聞いてみた。

  そしたら「いいよ」と言ってくれた。
  男の子も「いいんじゃないの」と言ってくれました。
  席を決めると、先生が「机をはこんでいいよ」と言いました。
  夜、「あしたの朝自習だいじょうぶかな」と思うと、ねむれませんでした。
   ◇   ◇
  読み終えたあと、とてもさわやかな気持ちになりました。
  夜、「あしたの朝自習だいじょうぶかな」と思うとねむれませんでした、とあるので、さわやかな緊張感がこの子を包んでいたことが分かります。

  人間は、成長していく過程で、さまざまな状況に遭遇します。その都度、喜びを感じたり不安を感じたりします。

  この子はきっと、班長に選ばれたことのうれしさと、あすの仕事がうまくいくだろうかというわずかな不安とを抱いて一夜を過ごしたのでしょう。

  このほろ苦くも甘い感情は、これからもその大きさや形を変えながらこの子の人生を楽しませてくれるに違いありません。
(盛岡市教育相談員)

本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします