2005年 12月 3日 (土)
■ 〈岩手高原スノーパーク2年目の挑戦〉3 新メニューで食べる楽しみ
岩手高原で開かれた試食会(11月10日、写真右が星野さん)
岩手高原スノーパークにとって、再開1年目の教訓は貴重な財産だ。それはゲレンデやコース設定、接客に限らない。こうした点でシナジー(相乗効果)を狙ってノウハウを提供し、協力する企業・団体もある。
1年目、提供される食べ物の味をめぐり、インターネット上に利用者からの書き込みが掲載された。岩手高原にとって耳の痛い内容だった。それが東京・鈴木総本社の目に留まった。「何とかしろ」。誘客とリピーター確保へ思わぬ伏兵が現れた。
支配人の西方博さん(50)は本社からのミッションに手を打った。スキー関係者とネットワークを持つ営業竹澤勝美さん(37)を通じ、網張スキー学校のインストラクター星野秀男さん(51)と知り合った。飲食部門を委託する話を進めた。
星野さんは関東出身で98年に来県、今年3月まで保険会社に勤務していた。「年齢的にそろそろ独立したいと思っていた。スキー場の雪質が関東に比べて北海道に近く、自然が豊かで住みやすい」と、岩手に根を下ろすことを決めた。
昨年12月、北上市にオープンした「とんかつ屋とんとん」の開店を手伝い、代表に就任。テレビでも紹介された。今年4月同市にオープンした姉妹店「愛と勇気のらーめん屋」も代表になった。
盛岡市市中央通3丁目に系列店も出店。岩手高原からの受託は同市内へ進出を考えていた星野さんにとって大きなチャンスだった。「大きなスケールの経営ノウハウを知りたい」。岩手高原用に花巻市の稲作農家と契約し、シーズン分のひとめぼれを確保した。
しかし、鈴木総本社側から「待った」が掛かった。飲食部門は直営との指示が出た。
計画は暗しょうに乗り上げたかに見えた。星野さんは「乗りかかった船」と委託にこだわらず、飲食部門のプロデュースを西方さんに申し出た。プロジェクトは再び進められた。
岩手高原のセンターハウスには、2階に約400人収容の食堂、3階に約100人収容のラウンジがある。
星野さんは空間自体の活用や町内飲食店の屋台を含め、総合的に演出する。自店の看板メニュー「えんまラーメン」のノウハウを伝授し、岩手高原用に「マグマラーメン」として売り出す。中核となる関係業者と試食会を重ねてメニューを絞り込み、陣容を整えた。
「経営実績をつくりたい気持ちもある。ラーメンの味をより多くの人に評価してもらい、どのくらい受け入れられるか。スキーがレジャーである以上、食べるのも楽しみの一つ。メニューは市街地より1割増になるだろうが、リーズナブルな価格設定と出来立ての温かいものを提供したい」。
新メニューはじめ飲食部門がどう変わるか。3日のプレ・オープンでは限定メニューが提供される。
(大崎真士記者)
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