2005年 12月 4日 (日) 

       

■ 人材を大切にする岩手であってほしい 元建設会社の女性経営者が従業員と再出発

 元建設会社社長の佐々木友江さん(68)=石鳥谷町=は今年5月、平泉町瀬原に古物店「YOU愛」をオープンした。建設業不況の中、会社を清算してからの転身だが「飾ってみると(古物が)ものを言い出す。一つ一つに命がある」と実感した。オープンから半年が過ぎたが、多くの女性技能者を育てた建設業への思いは変わらない。「頑張っている職人がいるのに、テレビも新聞もいいニュースはほとんどない。頑張っている人が元気を出せるような岩手になってほしい」と、再出発への思いを語る。

 佐々木さんは、1988年に女性だけの建設会社「友愛」を創業。育てた女性技能者は数多く、高速道路の仕事を請け負うなど評価も高かった。

  県内建設業界の景気は回復することなく、会社は今年4月に清算。「職人はすぐには育たない。やっと育てた職人を失うのは国の損失では」と悔しさも残ったが、生活のために仕事も始めなければならない。自宅にあった古物を整理し、売ることにした。

  店舗にしたのは、使われていなかった夫の実家。盛岡市の一ノ倉邸保存委員会会長の西郷和子さんの協力を得て、飾り方や見せ方を工夫した。コーヒーを出して客をもてなすスペースを設け、くつろぎの空間も演出した。

  佐々木さんと同じ、建設業の女性経営者たちも後に続いた。6月に釜石市に「YOU愛」2号店、北上市に3号店が相次いで誕生した。

  「自分がこういうことになって初めて気付いたことも」と佐々木さん。一つ一つに命を宿した物へのいとおしさ、「ましてや人の命なんて」と、人材という財産の重みにたどり着く。

  「県民のうち10万人は建設業にかかわっているといわれる。親せきや友人にも一人はいると思うので、今の状況は人ごとではない。人を大切にするような社会になってほしい」と願う。

  「YOU愛」1号店への問い合わせは、佐々木さん(電話090−5237−2237)まで。

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