「あら!うらめしや、天国から来た人たちの霊魂ドラマ」と題して、前年に亡くなった、三島由紀夫、大宅壮一、西村栄一、左ト全ら著名な12人の人物を、それぞれの個性を誇張して構成するグラビア特集を冒頭に載せ、「今夏初盆を迎える故人の冥福を祈る」と、インパクトのある男性誌『マンタイム』(B5判・182ページ)が、昭和46年7月、日本ジャーナルプレス新社から創刊されました。
ニクソンの訪中声明、中国の国連復帰など、中国の存在がクローズアップするなか、日本でも中国関係図書の発刊が相次ぎ、一種の中国ブームでした。
同社の姉妹誌『ファィマン』と比し、内容的にはこちらが上かなと思われますが、早速「日中国交に生命を賭ける政財界人たちの意外な裏工作」を、創刊特集として組むのです。
レポートは、中国のピンポン外交に端を発した世界の趨勢(すうせい)に遅れまいと、国交回復に密やかな工作をする政界のハト派(三木武夫ら)とタカ派(佐藤栄作ら)の対立と、これにかかわる財界人の動きを探ります。
また、軍事評論家香原勝文は4月発表の新防衛力整備計画(四次防)を受けて「防衛庁四次防兵器戦争の秘メモ」を一挙に開示、解説するのです。
そして6月、東京とワシントンで宇宙中継を通じて同時に行われた「沖縄返還協定調印」を、戦後内政最大の焦点ととらえて緊急報告を載せます。
それから4カ月後の11月、自民党は衆議院特別委員会で返還協定の採決を強行しました。社共両党と労働団体は全国統一行動に突入、各地で集会とデモを繰り広げ、東京では過激派の火炎ビンで日比谷公園の松本楼が焼失、逮捕者も2千人に及びました。
一方文芸には川内康範、清水一行、川上宗薫、なかにし礼を。随筆に、田中角栄、竹入義勝、三鬼陽之助、新橋遊吉、王貞治、山口洋子、沢村正、森進一、神風正一と、多彩な顔触れを載せます。
「追跡ワイド」コーナーには、「三島由紀夫事件の〓名刀関孫六〓の鑑定に赤信号」とありますが、三島の介錯に使われた名刀の関孫六は、孫六ではなく偽物だったといううわさを追跡するものです。結論はなく疑問を残したまま、賛否両論を載せて終わります。
この年のベストセラーは三島と、39歳の若さで急逝した高橋和己という対照的な文学でした。
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