2005年 12月 6日 (火) 

       

■ 〈経済〉時代の潮目を見ることも 伊藤元重・東大大学院教授が講演

 第30回北日本経友会大学講座(北日本経友会連合会主催)が2日、盛岡市盛岡駅前北通のホテルメトロポリタン盛岡ニューウイングで開かれた。北日本銀行の取引先関係者ら450人が出席した。

  東京大学大学院経済学科研究科の伊藤元重教授が経済の展望と企業経営をテーマに講演した。経済を3つの目で考える見方を示した。第1の見方は鳥の目。「日本経済の動きを把握するには中国の動きを見ていくことが必要。中国社会がおかしくなれば日本への影響は多大。中国の農村は貧困の状態で生存すれすれの人間も多い。地方役人の行動も弱い者いじめで尋常でない。中国の成長の余力はあるが、政治的な問題もある」と、世界の中で日本を見る視点を示した。

  第2の見方は魚の目で経済の潮目を見ること。楽天やライブドア、村上ファンドの動きに注目した。「この3社の社長はこれまでの企業人から見れば好き嫌いもあろうが、経済の潮目を読むことに関しては敏感。今足元で起きている変化は15年に1度の大変化。この時代の潮目をどう読むか。これを読み誤ると大変な事態になる」と言う。

  村上ファンドが東京スタイルを買収した事例を紹介。「東京スタイルは500億円の内部留保を持つ無借金会社だった。バブル崩壊時代を乗り越えた。しかしその後も会社を守るだけで、その資産を投資など積極的に活用していなかった。バブル崩壊期の過去15年は評価されたかもしれないが。村上ファンドは投資機会の損失と考え、買収をし経営陣をすげ替え利益増を果たした」と、潮目を読んだ例として挙げた。

  伊藤教授は「企業経営者の中にも、数日前に株主になった人間が配当を寄こせと言うのはおかしいと言う人もいるが、10年前に株を買ったのもきのう株を買ったのも配当は同じ。選挙で20歳の人間は1票にして60歳は4票というようなもの」とけん制した。

  第3の見方は虫の目。経済の本質を現場で見ること。「ほとんどの日本の企業は今、成熟市場にある。人口は減少しマーケットは縮んでいる。生産労働人口(15〜64歳)は10年前から減少している」「競争は激しくなりマーケットは縮小。地域の中小・中堅企業は何をすべきか。差別化し徹底的にすき間で勝負したり客(のニーズ)を深く掘り下げる。もっと頑張って生き残れというのはもう無駄」と新しい見方で経営することを促した。

  国際問題では、ジャーナリストの辺真一氏が「どうなる北朝鮮問題と日本」と題して講演した。


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