盛岡市立病院あり方検討委員会(委員長・小川彰岩手医大医学部長、委員7人)は、回復期のリハビリテーション病床を含めた療養型病床への移行と緩和ケア病床の導入を検討委の報告に盛り込む方向で一致した。経営形態については、地方公営企業法の一部適用となっている現状を見直し、同法の全部適用または公設民営(経営の民間委託)の方向で検討を進める。
盛岡医療圏では、がん患者など急性期病院で高度医療を受けた回復期や終末期の患者を受け入れる療養型病床が不足している。委員からは、その役割を市立病院に求める発言が出ていた。
事務局のシミュレーションでは、現状の一般病床60床(患者16人対し医師1人、患者2人に対し看護職員1人)は年間で3994万円の損失。これを療養病床(患者48人に対し医師1人、患者5人に対し看護職員1人、患者4人に対し看護補助員1人)に転換した場合、病床利用率95%で、年間1244万円の損失となり赤字額は縮小する。
回復期リハビリ病床(患者48人に対し医師1人、患者3人に対し看護職員1人、患者6人に対し看護補助員1人)の場合は、病床利用率95%で年間5889万円の黒字と試算している。
今月開かれた3回目の会合では委員からニーズのある療養型病床への転換を支持する意見の一方、「療養型病床は民間病院でも可能で、公立病院で実施すべき政策医療には位置付けられない。転換するのであれば、市立病院の経営形態も合わせて見直すべき」との意見もあった。
一般病床60床を緩和ケア病床24床に転換した場合は、病床利用率80%で、年間8302万円の赤字。さらに病床改修費用として4310万円が必要との試算が示された。コスト的には厳しい試算結果だが、盛岡医療圏に緩和ケアの専門病院はなく「政策的医療ととらえてもよい分野。この程度のマイナスは認められる」「終末期医療への対応は時代の要請。受け入れ先が不足しているがゆえに、大学病院などの急性期病院で看取っているのが現状」と導入に前向きな発言が多かった。
市立病院の医療者側からは「緩和ケアは施設さえ整備すればできるというものではない。専門医師を確保し、情熱を持った職員を育てる必要がある」と課題の指摘もあった。
現在の市立病院の経営形態となっている地方公営企業法の一部適用では、運営責任者は市長。医療課題の変化に応じた柔軟な対応が難しく、「病院経営の責任が不明確」と外部監査人からも指摘されている。仮に全部適用とした場合は、病院事業管理者を置くことができるようになり、経営責任の明確化、人事権などの自立性が拡大される。ただ、病院事業管理者の能力によるところが大きく医療、経営、行政に通じた人材の確保や病院管理部門の拡充による人件費増なども見込まれるとしている。
経営の民間委託の場合も、指定管理者制度の活用を含め委託の方法に、幾つかのケースが想定され、それらを整理した上での議論が求められる。
検討委は来年1月と2月にも会議を予定。2月中に最終的な意見をまとめ、市長に報告する。
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