2005年 12月 8日 (木) 

       

■ 〈美術〉朝倉伸さんが個展 冒険的手法で挑む

     
   
 
漢字を題材に現代美術を構成した連作
 
  盛岡市の美術家の浅倉伸さん(34)の個展「黒」が11日まで盛岡市大通2丁目のさわや書店3階ギャラリーアースワーク・エムで開かれている。浅倉さんは早大卒業後、大学病院勤務を経て5年前に盛岡に帰り、アクセサリーデザインの制作販売とともに、現代美術に取り組んでいる。今回は世界の名画の構図を微妙にずらした作品などを展示し、美術史の中に光と影を見いだした。

  「私の記憶の固執への黄緑色の妄念」は、ダリの有名な作品の輪郭をぼかして、見る人の焦点をはぐらかす。浅倉さんは「名画の影を面白半分で模写したのではなく拝借した」と話し、巨匠の作品を批評的に取り扱った。「今回の個展でその呪縛(じゅばく)を解かれ解く行為により美術史の視野がはなはだ広がった」と話し、ダ・ビンチ、エゴン・シーレ、キース・ヘリング、マルセル・デュシャンなどの名作に材を取り、冒険的な技法でオリジナリティーを追求。鑑賞者の目に新しい焦点を結ばせるよう狙っている。

  象形文字に着想を得た作品は12点の連作。アクリル板にアクリル絵の具で着色し、「蝶(ちょう)」「黒」「雷」などの漢字の部首やつくりをデフォルメして、モダンアートに仕立てている。浅倉さんは「基本的には昔のガラス絵のようなもの。アニメのセル画のように象形文字のイメージをペインティングしてみた」と話す。継続的に取り組んでいる昆虫標本を利用したカプセル作品など、小さなスペースに「浅倉ワールド」が充満した個展となっている。

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