2006年 1月 1日 (日) 

       

■ どんな盛岡がいいですか 地域ブランドは自分たちの手で

     
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   盛岡市本町振興会などの呼びかけで毎年、中津川にサケの稚魚が放流される。市民ぐるみで清流を守る活動も盛岡ブランドの大切な要素だ。市内の幼稚園や小学校、商店街などの水槽で育てられたサケの稚魚を見守る子供たち。(2005年3月に行われた第12回さけの赤ちゃん放流会)  
  「盛岡」というまちから、あなたは何をイメージしますか?宮沢賢治、石川啄木の青春、サケが遡上(そじょう)する中津川、盛岡弁の優しい響き、南部鉄器…。10年ほど前、製麺(めん)会社の2代目が点字のメニュー作りを思い立った。「盛岡の飲食店の半分でも点字メニューを完備したら、その分野では日本一になれる…」。点字サークルに協力を仰ぎ、ほかの若手経営者にも働きかけた。盛岡駅前商店街などでは観光客や高齢者、子供連れの家族などに安心してまちを歩いてもらおうとトイレを無料開放する「きらら化粧室」の取り組みが広がっている。道半ばだが、こうした一市民、一グループの試みも盛岡の「顔」をつくっていくことにつながる。今、全国で「地域ブランド」の構築が盛んだ。盛岡は何を目指すべきなのか。元気のある盛岡人に集まってもらい、地域ブランド戦略について語ってもらった。第3特集紙面では地域ブランド仕掛け人である大手広告代理店担当者にインタビュー、さらに盛岡の隠れた資源に光を当てた。

 地域のブランド化とは、地域から生まれた商品やサービスなどを「地域ブランド商品」として確立し、同時にその地域が持つイメージを高めて地域ブランドそのものを高めていくこと。あるいはその土地の風土、文化、歴史など地域全体から生まれるその土地らしさをブランドとして明確にし価値あるものとして内外に認知してもらうことという。玉山村と合併し30万人都市となる盛岡市も「盛岡ブランド」の開発に取り組む。地域ブランドは地域を活性化させる切り札となり得るのだろうか。

  座談会では、一級建築士で材木町商店街の街路整備などにも携わった山内光介さん、製麺業のかたわら飲食店や美容室などの店舗プロデュースを手掛ける中野正紀さん、民間企業でマーケティングやブランド開発を経験し、ITによる地域貢献を目指して起業した南幅直実さんの3人に、地域ブランド戦略について語ってもらった。

  山内さんは「盛岡のナショナリティーみたいなものを語るときはシンプルにいくべき」と提言。まちづくりのコンセプトを引き出す上で「旧町名の復活も大事」と考える。中野さんは「元気のいい盛岡人が活発に動くことによってブランドができる」と強調。盛岡で今、困っていること、こうしたいと思うことを広く吸い上げ「まだ誰もやっていないものに取り組むことが自信となり、まちの活性化につながる」と主張する。南幅さんは「原点に立ち返り、時間が止まったようにゆったりとした盛岡のイメージを大事にしながらブランドを考えては」と話す。

  インタビューでは、独自の地域ブランド構築プログラムを提案し、自治体職員向けのブランディングスクールも主催している大手広告代理店・博報堂のMD戦略室開発チームリーダーの渡邉啓さん、ブランディングプロデューサーの木下富美子さんに考えを聞いた。大手広告会社やコンサルティング会社も地域ブランドに注目、さまざまなコンサルティングメニューを掲げて、全国の自治体のブランドづくりを後押ししている。

  盛岡市が作成した盛岡ブランド推進計画の素案では、主要プロジェクトとして▽まちなみ景観づくり▽もりおか水の恵み▽メードイン盛岡認証(特産品振興)▽啄木・賢治、先人▽市民協働・盛岡学推進−の5項目を掲げる。05年度から14年度までに市が主体で進める事業、市民が主体になるもの、市と市民が協働で進める事業、合わせて137項目がリストアップされている。盛岡ブランドのシーズともいえる個々の事例に迫ってみた。

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