2006年 1月 3日 (火) 

       

■ 〈岩手競馬の再生は可能か〉地方競馬の置かれた現状 05年の開催成績分析

 地方競馬の置かれた現状は厳しい。04年度(平成16年度)の地方競馬18主催者の総売り上げは3862億円で、ピーク時の1991年(平成3年)に比べ4割程度にまで落ち込んでいる。岩手競馬は38億円の赤字だったが、特別区競馬組合(大井)も約40億円の赤字を計上した。赤字額の合計は189億円になった。事業から撤退する自治体も相次ぎ、01年度(平成13年度)以降、中津組合、新潟県、宇都宮市、益田市、足利市、上山市と撤退。栃木県、群馬県も04年度限りで事業をやめた。現在は16主催者になっている。


  ■本場の売り上げ低下は共通
  05年1月から11月までの開催成績は総売得金が前年同期を上回っているのは、川崎、船橋、愛知、福山、北海道の5主催者。全国総計では7・8%のマイナスになっている。しかし場外発売が平均で11・8%増加し、電話投票は30・2%増加している。本場の落ち込みが著しいのはすべての競馬場に共通しているようだ。

  ■場外発売は増加
  ほとんどの競馬場で場外発売が増加しているのが今シーズンの大きな特徴だろう。南関東は4場すべてが前年比2ケタ増を記録し合計で12%増になった。場外発売の占める割合は全売り上げの72%を占めており、場外の伸びは全体の伸びに直結する。

  このほか北海道、金沢、名古屋、福山の各競馬場で場外が前年実績を上回っている。
  本場が減少し場外が増加する現象には理由が考えられる。各競馬場で相互にレースを発売しているからだ。客は、その競馬場で行われるレースの購入金額を少し減らして、中継される他場のレースを購入すると考えると、説明がつきやすい。競馬場同士の交流が進み、客は他場のレースを購入する傾向が高まっているということになる。

  南関東などのように全体の売り上げが増えている競馬場では、場外発売が効果を発揮しているということになる。相互に発売することによって、客が購入するレース数が増える計算になる。それが結果的に全体の売り上げをアップさせているのだろう。

  ■岩手競馬は場外も不振
  岩手競馬は、南関東とは異なり場外も不振にあえいでいる。場外が占める割合は78%と南関東より高いが売り上げの前年比は88%。他の競馬場との相互発売で効果を上げるに至っていないのが最大の理由と考えられる。
  南関東は中央競馬と重ならない平日開催が基本。岩手競馬は中央と同じ土日開催が中心。この戦略の違いが場外の難しさになっているようだ。

  東京競馬場などには、地方競馬では唯一の専用の岩手競馬発売所が設けられている。しかし、中央ファンの目を岩手に引きつけるまでには至っていない。岩手のレースに魅力が乏しいのか、3連勝式がないという馬券の面白みも含めて売り方がまずいのか、あるいはその両方かのいずれかに原因がある。

  ■電話投票は急激に増加
  さらに特徴的なのは電話投票(パソコン)の増加ぶり。愛知は52%増、南関東は25%増、兵庫は30%増、荒尾は27%増と軒並み売り上げが伸びている。北海道でも11%増と2ケタ台。南関東では総売り上げの15%近くを電話投票が占めるまでに成長している。

  インターネットを使ったこうした電話投票の伸びは、ジャパンネット銀行やe−バンクなどのインターネット上で簡単に決済ができるネットバンクの普及と対になっている。ネットバンクの口座を持ってさえいれば即日、馬券の購入が可能になったからだ。

  加えてジャパンネット銀行は、コンビニ店に設置された24時間入出金可能なセブン銀行などと提携しており払戻金を深夜に現金化することも可能。画面でオッズ(倍率)を確認しながら、締め切り時間ぎりぎりまで馬を選べることや、窓口でのわずらわしさもない。それらがネット競馬に向かわせる大きな要因になっている。

  ■岩手競馬は電話投票も不振
  これに対して岩手競馬は、電話投票も8%のマイナスで南関東などとは正反対の成績になっている。3連勝式の導入がまだ実現していないことや、レース映像の提供が遅れたことが大きく響いたといえそうだ。認知度をどう高めるかが大きな課題になる。

  岩手県内には24時間入出金可能なセブン銀行はないが、首都圏向けに馬券を売るには何の支障もない。ソフトバンクでどう話題と魅力づくりを行うかが、売り上げを大きく左右することになる。

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