2006年 1月 4日 (水) 

       

■ 〈老舗の決断〉2 シューズモリ(創業73年)森雄一会長 看板も替え本物志向

     
  森雄一会長  
 
森雄一会長
 
  ■靴製造から販売へ移行
  県内は建設業も厳しいが、地場の小売業も大変。なかなかもうからない時代。先代の創業当初は靴の製造・販売店として店を開けた。紳士・夫人靴、1足1足メジャーで測り、手作業でこしらえた。先代は市内の靴屋に技術指導もした。わたしは58年(昭和33年)に後を継いだ。靴作りの技術はなかったので小売りに徹した。それから店舗展開し成長もした。光ビルや大通、川徳、旧ダイエー盛岡店前などにも店を出した。

  ■靴の消費に変化
  十数年前から郊外に靴の大型店が出店した。大型店は大量販売で安価な商品を販売している。少子高齢化も進行した。靴1足の時代になった。旅仲間と食事でも1足あれば良い時代。昔はパーティーも盛んで靴が売れた。今はパーティーも減り顧客も年を取った。靴は軽いもの1足。昔ほど靴に魅力を感じないようだ。

  ■経営方法の変化
  当店でもバブル崩壊後に経営方法を変えてきた。靴の総合的な店からの脱却を図った。カワトクには1階紳士靴、3階婦人靴、6階子供靴があり、川徳の集客力のおかげで頑張っている。イオンが出てから競争は激しくなった。当店のように小さな店と巨大な店では同じメーカーとの取り引きには勝てない。川徳の店を除き子供靴はやめた。盛岡駅周辺に子供はほとんどいない。今は郊外に住んでいる。郊外店で買う。スニーカー市場からも撤退した。郊外店にかなわない。

  ■看板を変える
  ダイエー盛岡店前の店を閉じ3月には駅前通の本店に移転する。名前も創業からのシューズモリの店名は消え、「HUSH PUPPIES」(ハッシュ・パピーズ)の看板を出す。先代からの受け継がれた場所で店名を変えるには大変寂しさもある。しかし時代の流れには逆らえない。

  これからはオンリーワンの専門店と本物志向でなければ生き残れない。この店に来なければ買えないブランド。当店と長年の取引先とのパイプがあるメーカーも力を貸してくれる。県内でもうちだけしかないブランドを置く。大型店と違う。差別化。本物、セレクト。目的買いの店になる。

  店名は変わるが老舗としてこの場所で売り上げを増やすよう大きな看板を出す。お客が喜ぶような靴を学び、仕入れる。利幅は少ないが老舗も変わらなければ置いてかれる。大変な時代ではあるが、だからこそ笑顔と明るさが大事だと思っている。

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