雫石町は11月9日で町長の任期が満了になる。選挙戦まで1年を切ったが、現職の中屋敷十氏(54)は続投の意思を明確にしていない。対抗馬擁立の動きは現時点では見えない。一方で町長選半年後の統一地方選の県議選を視野に、政党間の綱引きも想定される。地方自治を取り巻く厳しい情勢下、「政争の町」における町長選の動向が注目される。
中屋敷氏は前回、前職川口善弥氏を引き継ぐ形で県議から転出。元県議・元町長の川口民一氏、現県議の大宮惇幸氏、元町議の高橋重幸氏との激戦を候補者中最年少で制し、初当選した。
行政主導から協働の「官治から共治へ」を標ぼう。住民への徹底した情報公開と説明責任を果たしながら、行革の推進や「農観一体のまちづくり」、中心市街地活性化、町立雫石病院の在り方へプランの集約、鶯宿温泉の振興策など10の公約を掲げた。
在任期間で、バス事業者の生活路線撤退に伴う「あねっこバス」運行、どぶろく製造許可を含む構造改革特区や地域再生計画の認定を受けるなど独自策を打ち出してきた。谷藤裕明盛岡市長の呼びかけによる広域6市町村の任意合併協議会参加は、住民アンケートや議会の見解を踏まえ、町単独による自立を選択した。
行財政改革でも借金体質の解消を進め、起債残高は03年度91億5千万円が04年度89億円、今年度末見込みで84億円まで圧縮し、地方公債比率は15%を切る見込みという。
中屋敷氏は、昨年の町議会12月定例会で進退を問われ「公約については、おおむね3年間で緒に就く形で取り組むことができた」と自己採点。残る任期で「町民の積極的なまちづくりの参加をいただきながら協働による町政発展、共治に向けて一生懸命頑張る」と再選出馬への明言を避けた。
同町はこれまで政争の町として、幾多の政治決戦が展開されてきた。国や地方財政が厳しく、真に地方の自立が求められる中、町内が一体となって難局を乗り越えていく必要性を主張する声も多い。
しかし、町長選半年後の県議選をにらみ、対抗する政治勢力が候補擁立に動く可能性は十分ある。中屋敷氏の進退表明と前後して対抗馬が名乗りを上げることも予想される。
町選管によると、昨年12月2日現在の選挙人名簿登録者数は男7546人、女8245人の1万5791人。
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