滝沢村は11月15日、村長任期が満了になる。現職の柳村純一氏(55)本人は進退を明言していない。独自の改革路線を提唱してきた柳村村政3期12年の評価、盛岡市との合併の是非を踏まえた村の行く末を占う村長選。前回無競争だった同氏への風当たりは意外に厳しく、目立った対抗馬擁立の動きがない中、選挙戦を望む声は村内に多い。
柳村氏は94年に候補6人が乱立する中を初当選し、98年には三つどもえの戦いを大差で制して再選。02年の前回は無競争で独走、3選を果たした。
3期目就任早々「幸せ地域社会」の実現を目指す行政経営理念を公表。課長級の職員投票制度や補助金の給付見直しの制度化、熊坂伸子前助役を民間から外部登用したほか、助役・収入役を設置しないなど提唱する組織のフラット化を展開。今年度が初年度で柳村氏自らの下で住民参画によって策定された第5次総合計画など独自路線を継続させた。
しかし、第3セクター「ソイビーン滝沢」の計画発表と断念、新RMC構想のRI(放射性同位元素)廃棄物研究用受け入れ拡大要請の断念、現在住民訴訟が続いている巣子駅の用地取得に絡む3度の住民監査請求、議会に問題視された熊坂前助役発言と退任劇など、物議を醸す問題も数多く抱えてきた。
合併については、盛岡市、矢巾町と3市町村の法定合併協議会設置を求める住民直接請求を「時期尚早」と退けた。谷藤盛岡市長が提案した6市町村の任意合併協議会は「今までの取り組みがゼロになる」と参加を辞退したが、「いつか一緒になれるときもある」と含みを持たせている。
独自の改革路線については県外からベンチマークされ、評価を得ている。自治体関係者や政府系機関の視察が03年度30件、04年度40件、今年度12月末で30件と多く、柳村氏の講演回数も増えている。
その一方、村内では福祉バスの有料化など住民に直結するサービスが削減され、盛岡西リサーチパーク誘致の立ち遅れなど産業振興の停滞もある。「内部改革に終始して、住民生活の向上、成果が見えない」との批判も村内に根強くある。
真に自立する自治体を目指すための「我慢」と旧弊打破による「変革」が住民に突きつけられる中、柳村氏自身の人気やカリスマ性に変容が見られているのも事実だ。村内保守派層も柳村氏の政治姿勢に疑問を呈する声が出ている。「やはり無競争はよろしくない」「多選はいかがなものか」との意見もある。
村内では現職県議や村議会議長らが対抗馬との情報が流れているが、有力候補の動きは見えない。支持層も水面下で擁立の是非やタイミングを見計らっているようだ。
村選管によると、昨年12月1日現在の選挙人名簿登録者数は男2万204人、女2万1022人の4万1226人。
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