2006年 1月 1日 (日) 

       

■ 〈イオン盛岡南SC、わたしはこう考える〉石井三郎氏 フェザン社長

 −今の盛岡の商業の現状をどのように考えているか。

  石井社長 小売店環境は、東京と地方で格差が開く一方で、岩手、盛岡も含めた地方の小売り環境は厳しい。長い間低迷の状態で、今年もこの傾向は続くだろう。そのような厳しい環境下で、小売店同士の競争はさらに激化する。盛岡の商圏では今でもオーバーストア状態にある。この状況に、さらに第2のイオンが出店すればどうなるのか。現状のままではいられないだろう。どこが残っていくか。近い将来、どことどこが戦っているか。全国各地で同様の戦いがあるが、盛岡が最後の試練を受ける。いずれ商業地図も歴史も大きく変わるだろう。

  −イオンの影響はどの程度あるのか。

  石井社長 東北の県庁所在地にある駅ビルは厳しい店が多い。秋田駅や青森駅の駅ビルも厳しい。以前は駅を中心に街が形成されていたが、イオンの郊外への出店などで売り上げダウンを余儀なくされた。バブル期の半分ほどにダウンした駅ビルもある。駅ビルだけでなく地場の老舗百貨店の多くも壊滅状態。行政の郊外移転などもあり、イオンの郊外出店だけが原因ではないが。黙って手をこまねくと売り上げは落ちる一方。

  −イオン盛岡南SCに対してはどのような考えを。

  石井社長 全体の規模や出店者の顔ぶれが見えていないので何とも言えない。しかし小売店部分の面積だけでもイオン盛岡SCより2千平方メートル以上も大きい。これは大変な脅威になる。このまま進めば中心市街地が大変厳しい状況になろう。行政サイドでも中心市街地の活性化にもっと力を入れないと大変なことになろう。

  −昨年はリニューアルを実施した。効果はどうか。

  石井社長 改装コンセプトは時代のトレンドをとらえた大都市に負けない魅力的な専門店の集積とし、バリアフリーなど人・環境に優しい商業施設の創造。フェザンは23年間、駅隣接で開業してきた。駅にフェザンがあるのでなく、フェザン内に駅があるような全面改装にした。足かけ3年かけてリニューアルを行った。南北370メートルに延伸した。駅のポテンシャルを生かした。盛岡駅の中に入り時代の変化に応じたブランドアップも図った。総菜の見直しや土産品ゾーンのパワーアップをさせ、ほかの駅ビルにない、独立的な店舗形態にした。一部を除きほぼリューアルが完了したばかりだが好調な動き。ただ当ビルも何もしなければ大変だったろう。

  −イオンとの差別化は。

  石井社長 イオンは専門ファミリーが中心。GAPも入ったがキッズなども含めファミリー層がターゲット。フェザンは全体的にヤングが中心。これからは少子高齢化時代に入る。独り暮らしが多くなる。個食化が進む。時代の変化にいち早く対応し当店にしかない売り場にする。

  −駅や駅周辺に客を呼び込む対策は。

  石井社長 自由通路開通で東西の往来の利便性が高まった。盛岡駅東西の連携をさらに強化したり、商店街との共同でのイベント開催を継続し駅前地区の力を付けることが大事。最近は盛岡駅を中心に新しい動きがある。アイーナが開設され図書館もオープンし駅周辺の魅力度が増す。マンションも増加しており、地方都市ではユニークな現象。当店や駅周辺の活性化に結び付けたい。

  −今年はどのような経営を。

  石井社長 リニューアルの効果をさらに高め、変化したフェザンの良さをもっとアピールしたい。駅ビルの強味を発揮したい。毎日の乗降客4万人すべてが客。イオンに駅はない。イオンが来る来ないにかかわらずレベルアップを図っている。またCS(顧客満足)の徹底向上を図る。CS向上委員会も設置し全役員が毎回出席している。来店する客の声やホームページからも声を拾い、きめの細かい対応を開始している。フェザンでは毎年、テナントのスタッフの接客態度をアップさせるために全国規模のコンテスト出場に向けた行事を開催している。岩手大会、東北大会を勝ち抜いたテナントのスタッフが全国大会に出ている。全国レベルに達している。イオン盛岡南SCのテナント構成によっては、新たな対応も検討したい。

本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします