■ 〈わたしはこう考える〉渡辺理氏 U─ゼンセン同盟県支部長
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−大型店の出店を巡る社会的環境をどう見るか。
渡辺 労働組合が出店規制や退店反対運動を起こすのは経済原理、自由主義の経済原則から踏み込むべきでないが、安全性や環境など社会的な部分については規制を撤廃すべきではない。組合としても安全性を無視したり環境破壊が出店や退店によって起こるなら否定する。経済的な規制は本来あるべきでないが、社会的規制は維持すべきだ。
大型店は時代の要請で出店し退店する。そのときは雇用拡大になるのは否めない事実だ。例えば一昨年の岩手の労働求人倍率、失業率をみても、北上地区では関東自動車を中心にした大手工場の進出により有効求人倍率が上がったり、盛岡でも前潟のショッピングセンターができた時期には500人前後の雇用が拡大されている。岩手の厳しい状況の中でも一定の効果を持っていると思う。
商業地域については旧来の盛岡の商業施設が老朽化して衰退しているのは事実だ。それを活性化する方法はそれぞれの事業者が汗を出して知恵を出してやっていかなければ。
−元日営業の普及など、大型店は労働者の雇用形態を変えてきたのでは。
渡辺 営業時間、日数、正月については労働組合としては競争の具にすべきではないと思う。A社にB社も追随して深夜営業という競争の具であってはならない。夜9時に閉めたらコンビニにならないのでこれはやむなしだが、1万平方メートルの大型店の24時間営業などは労働者に負荷がかかるので反対。一定条件のもとで営業するにしても12時がある程度の限界とか、10時を基準にするとか設けていくべきだと思う。そこに賃金を含めた労働条件を整備、関与していかねばならない。
これも時代の変化だが、わたしたちが政策として取り上げていた営業時間延長反対や休業日数の削減反対、正月営業の自粛というのは時代とともに政策として取り上げていたサイズは大きくなくなった。それは社会のニーズ、それができる社会環境、状況になってきたから。正月に関しても物流や近隣の市場、商品供給の分などもわたしたちが政策問題として真っ向から反対してきた昭和40年代とは様相が変わったのは否めない事実だ。
−大型店が労働者の中に占めるパートの比重を上げてきた中での労働問題は。
渡辺 昭和50年代は60万人くらいだったパートタイマーは1千万人を超え、1300万人くらい。パートの労働形態ができて約20年たつが、問題は正規の社員、日本の無期契約のフルタイマー月給制、男性型という日本の典型的な構造と、主婦が中心で短時間というパートタイマーとの賃金格差。それが課題だ。同一価値の同一労働には同じ賃金を払おうと、ここは組合としてもきっちり経営や業界とやっていかねば。スーパーでは8割がパートタイマー。
−今後の流通業の見通しは。
渡辺 小売業は変化対応業。常にマクロ経済だけでなく、盛岡の預貯金の増減など極めてミクロな変化に対応して変わる。関東近県は外資系が本腰で進出してきたら旧来日本で営業してきたところが凌駕(りょうが)されることもあるだろう。外資系スーパーは残念ながら日本の流通を研究しなかったが、彼らが本腰を入れて研究したときが怖い。
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