| ■地域ブランドは国家戦略に始まった
1997年、イギリスのブレア政権は「クールブリタニカ」というキャッチフレーズで、イギリスは「賢い」「クールだ」と世界中にアピールを始めた。イギリスの持つイメージの中から、創造性や革新性、オリジナリティーといった、とりわけ伝えたいメッセージを絞り込み、戦略的にクリエーティブ産業(デザイン、音楽、建築、ファッション、映画、演劇、アート、工業ソフトウエア、コンピューターゲーム、テレビ、ラジオ、広告、出版)を育成、支援。「クール」な国、イギリスへの注目度を高め、企業進出や観光客誘致、イギリス製品の世界市場のシェア拡大に成功した。これが、ほかの国や地域でもブランドが語られ始めたきっかけだという。
日本も経済産業省がジャパン・ブランド(日本ブランド)を推進している。
■ブランドとは…
「ブランド」とは、牛を放牧する際に自分の所有する牛をほかと区別するために押す焼印が語源。それが商品の商標を示す意味に転じた。最近は高級品などの商品やマークだけにとどまらず、受け手が連想するイメージ、世界観など「価値」を感じるあらゆるものを対象に、ブランドという言葉が使われている。
■地域ブランドの手法
地域ブランドの考え方、取り組みの仕方はさまざまだ。好例として語られる大分県の湯布院は、良質の温泉だけでなく由布岳をのぞむ景観、街のたたずまい、観光客へのもてなしなど地域資源を資産として顕在化させ、広く認知される「地域の価値」を確立させた。湯布院らしさを観光客のためだけではなく、湯布院に暮らす人の資源として町民がたゆまなく守り続けてきた結果といわれている。
一方、鹿児島県は鹿児島ブランド「ふるさと認定商品」と称して伝統的な製造方法、地域原材料の使用、一定の品質という条件をクリアした品目を認定商品とし、産地の競争力を高める戦略を展開している。生産安定、供給安定、品質安定、流通・販売過程での情報重視を徹底。大規模流通事業者との間に信頼関係を構築し、事業者を通じてブランドの浸透を図る戦略という。
■3つの領域
博報堂が地域住民・産業・サービス活性化プログラムとして提案する「地ブランドPRO」で示す3つの領域(図)。
「観光地」「特産品」「行政」の3つの領域をブランドという視点で内外から活性化し、地域全体を魅力的で誇りの持てるものとすることを提案する。観光地がブランド化されることによって集客力が向上、特産品ブランドでは地場産品の販売量が拡大するだけでなく、価格競争力の向上や観光誘引に結びつくという。行政ブランドには教育、福祉、環境、NPO、構造改革特区など人や生活にかかわるものを位置付け、誇れる地域として満足度が高まることで定住率の向上や地域経済の活性化につながると説く。
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