■ 〈胡堂の父からの手紙〉40 八重嶋勲 そのうち何なり見習いさせておく
|
■66はがき 明治34年12月15日付
宛 盛岡市内日影門外小路南部小枝方 発 表記なし
申越之次第ハ明々後日両日中出盛可致ニ付其内何ナリ見習為致置ヘク尤袷ノ裏ハ前ニ購求スル方可然候、右用事迄早々
十二月十五日(近谷菊治殿急性胃加多 留(加答児)ヲ起シ九 死一生ナリ他ハ次會ニ 相譲ル)
野村長四郎
【解説】「申し越しの件明々後日中に出盛するので、そのうち何なり見習いさせておくべし。もっとも袷(あわせ)の裏は前に購入する方がよいと思う。右用事まで。早々
12月15日 (近谷菊治殿急性胃カタルを起こし九死一生である。他は次会に譲る)」という内容。
「其内何ナリ見習為致置ヘク」とは、新妻K女のことであろうか。近谷菊治殿は近所の人であり、急性胃加答児(カタル)とは急性胃炎のことである。
■67巻紙 明治34年12月23日付
宛 盛岡市内日影門外小路南部小枝方 発 紫波郡彦部村
前略昨日拾円送金セシ筈五円宛弐度受取之上ハK女分定メテ三円以内ナルベシ然るトキハ三円斗リ余分可有之之ヲ以テ借金アル分ハ相済シ其余ニテ中里活字店ヨリ左之活字購求スベ(活字の指定と思うが欠如している)代價弐十四五銭ナルベシ、代價支払タル時ハ請求書ニ受領証受取ベシ、
地方之生徒ハ昨日中多分帰宅セリ日毎食費モ相嵩ム事故可相成本日中帰宅可致候、右用事迄早ゝ
十二月廿三日 野村
長一殿
【解説】「前略きのう10円送金した。5円ずつ、2度に分けて受け取り、K女分はきっと3円以内であろうから、その時は、3円ばかり余分があると思うので、借金ある分を済まし、その余りで中里活字店より左の活字を購入すべし(活字の指定と思うが欠如している)代価24、5銭であろう。代価支払った時は、請求書と、受領証を受け取ること。地方から来ている生徒はきのう中に多分帰宅したであろう。日ごと食費もかさむことであるからなるべく本日中に帰宅せよ。右用事まで。早々」という内容。
新妻K女は、花嫁修業で別の講習所に寄宿し勉強しているらしく、その費用も一緒に送金し、長一に届けさせているようである。活字購入とはどういうものであろうか、たとえば今のゴム印のような物が考えられるが。休みになっても帰らずにいると食費がかさむので節約のためにもできるだけ早く帰ってくるようにと切に促している。
|
|
|
|
|
|
|