2006年 2月 3日 (金) 

       

■ 地域の歴史が見える 盛岡市埋蔵文化財調査資料展始まる

     
  デフォルメされた形が興味深い「岩偶」(繋X遺跡)  
 
デフォルメされた形が興味深い「岩偶」(繋X遺跡)
 
  盛岡市本宮の市遺跡の学び館(三浦晃館長)は、第23回埋蔵文化財調査資料展「盛岡を発掘する−2005年度調査速報」を同館企画展示室で3月21日まで開いている。今年度の発掘調査の中から、盛岡市から出土した鉄製刀としては最もいい状態で発見されたという「直刀(ちょくとう)」(前九年・宿田遺跡)など221点を公開。身近な地域からの出土品に、来場者は古代・盛岡への想像を膨らませている。

 同館は今年度、19件の発掘調査を実施。本展では、繋X(ご)遺跡(繋)、谷地頭遺跡(厨川)、宿田遺跡(前九年)、盛南地区遺跡群(本宮・向中野)、大宮遺跡(本宮)の5遺跡に焦点を当て、調査の成果を発表した。
  宿田遺跡の「直刀」(7世紀後半−8世紀初頭)は、今回の調査で見つかった古墳(墳丘墓)から出土。地域の有力者の墓と推測され、主体部である木棺(もっかん)のこん痕から副葬品として発見された。
  鉄製の刀で大(直径46センチ)、小(同32センチ)の2点。刀の部分にさやの木質がわずかに残っていること、さや部分に漆(うるし)が塗られていることなど注目点が多い。

  繊維が2種類付着しており、目の細かいものと荒いものの2種類の布で巻かれていたことも分かるという。鉄製の刀は沿岸部の遺跡で多く出土しているが盛岡市では珍しく、鉄の成分(産地)についても調査を継続しているという。

     
  漆を塗ったさやに収められていたことが分かる「直刀」(宿田遺跡)  
  漆を塗ったさやに収められていたことが分かる「直刀」(宿田遺跡)  
  大宮遺跡では、大宮神社近くで見つかった大きな溝の底から、「かわらけ」(素焼きの土器・12世紀後半−13世紀初頭)が出土した。

  かわらけは、県内では平泉から多く出土し、儀式や饗宴(きょうえん)で酒杯などに用いたといわれる。清浄の象徴として再使用しないため、大量に作られ使うたびに捨てられていたが、盛岡市内では出土例が少ない。平泉と同じような儀式や宴が、盛岡市内でも催されていた可能性を伝える資料という。

  繋X遺跡の「岩偶」(がんぐう、縄文時代中期)は、何の目的で作られたかは不明だが、デフォルメされた形が興味深い。

  市遺跡の学び館文化財主事の今野公顕さんは「市内各地域で発掘調査を行っているので、身近に感じられる方も多いと思う。自分たちの住んでいる地域の歴史を再発見するきっかけにしてもらえればうれしい」と話していた。

  3月5日午後1時半からは、遺跡の学び館セミナー「今年度の調査成果報告」が同館研修室で開かれる。参加無料、定員80人。

  市遺跡の学び館(電話635−6600)の開館時間は午前9時から午後5時。展示室の入場料は大人200円、小中学生100円。小学生未満、市内在住の65歳以上の人と障害者手帳を持っている人(介護者1人含む)は無料。

  2月6日、13日、20日、27日、28日、3月6日、13日、20日は休館日。  

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