2006年 2月 4日 (土) 

       

■ 土肌をまとう紋様 映画「火火」モデル神山清子さんが作陶展

     
   映画「火火」のモデルになり「家族のきずなを見てほしい」と話す神山清子さん  
   映画「火火」のモデルになり「家族のきずなを見てほしい」と話す神山清子さん  
  「窯たきのシーンの(田中)裕子さんを見て、自分じゃないかとはっとした。演技力はもちろんですが、あのころの自分と重ね合わせてしまったんですね」。骨髄バンク立ち上げに尽くした女性陶芸家の半生を描いた映画「火火(ひび)」(田中裕子主演・高橋伴明監督作品)。そのモデルになった神山(こうやま)清子さん(69)=滋賀県甲賀市信楽町=は、半生を振り返りながら映画への思いを語る。5日の盛岡上映会を記念し、盛岡市菜園の川徳・5階ギャラリーで開かれている「古代信楽 神山清子作陶展」会場で聞いた。同展は8日まで。

 会場には、釉薬(ゆうやく)を一滴もかけずに、地元・信楽の土を生かして焼き上げた作品約70点が並ぶ。土肌を生かした素朴な器に、穴窯から上(のぼ)った煙が風のような文様を付ける。自ら開発した自然釉による作品群だ。

  「信楽焼でも地元の土を使っていない場合も多いが、信楽の土にこだわりたかった。何といってもわたしたちの足元の土に近い」と神山さん。「さまざまな石が含まれているので扱いづらいが、その石を焼き上げるといろいろな色の変化が出て面白い」と言う。

  長崎県佐世保市出身の神山さんは、陶器会社勤務などを経て独立し34歳から信楽自然釉の研究を開始。女性が窯を持つことへの反発もばねにしながら、陶芸家として活躍。一方で長男の白血病発病をきっかけに公的骨髄バンクの設立に尽力した。

  独立した当時は、女性が窯を持つことへの偏見も根強かった。「できないと言われたので余計にやる気になった。女性には甘えがあるという意味にも取れたので、それさえなくせばいいと思った。何より信楽の土が好きだったからできたのでしょう」と振り返る。

  自身がモデルになった映画「火火」には、主演の田中裕子さんらへの作陶指導に加え、数多くの作品を撮影用に提供した。高温で一気に焼き上げるのではなく、炎と対話しながら16日間かけて焼き上げる作品たち。求めに応じて500個以上制作した器もあり、映画への思い入れを感じさせる。

  「骨髄バンクへの理解とともに、映画で1番見てほしいのは家族のきずな。お互いに言いたいことを言い合っても、やはり一緒にいて支えてくれるのは家族」と語る。「もしかしたら、思い切り気持ちをぶつけ合うことも少なくなっているのかもしれませんね」と話していた。

  映画「火火」盛岡上映会(もりおか女性の会主催)は、盛岡市内丸の県民会館中ホールで5日に開かれる。上映時間は午前10時、午後0時半、同3時の3回。入場料は一般前売り1300円(当日1500円)、60歳以上前売り1000円(同1300円)。

  問い合わせは、もりおか女性の会(電話652−1826)まで。

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