2006年 2月 6日 (月) 

       

■ トヨタは知っていた日本式現場戦略 金田秀治氏が講演

     
  講演する金田氏  
 
講演する金田氏
 
  中小企業支援特別講演会(主催・独立行政法人雇用能力開発機構)が2日、盛岡市のホテルメトロポリタン盛岡で開かれた。元関東自動車工業で生産管理に携わったゴールドライツ社長の金田秀治氏が「トヨタ式最強の経営」と題して講演し、「カイゼン」の考え方について話した。県内中小企業を中心に約130人が参加した。

 講演会では同機構岩手センターの北林純一統括所長が「わが国の経済は12月の全国の有効求人倍率が13年ぶりに1倍に回復し、雇用情勢が改善された。岩手県は0・7と徐々に回復してはいるが依然として厳しい。雇用の安定と確保には新分野を開く中小企業の発展が必要だ」とあいさつした。

  金田氏はトヨタグループの関東自動車工業出身で、製造戦略と生産システム再構築のコンサルティングを通じて、生産性向上に取り組んでいる。

  トヨタ時代を振り返り、「1970年に世界に経済的に大きな変化が起きた。60年代まで世界で最も強いといわれる製造業を持っていたのはアメリカで、製造業はナンバーワンだったが、70年代に入ると日本に負けるようになってきた。これは世界的な事件だった」と述べた。

  「戦前戦後圧倒的に強かったアメリカが日本に負け、政府、官僚、各種団体、大学と数限りない視察団が日本に来た。
1970年代はアメリカからの視察団ラッシュだった。なぜアメリカが日本に負けるようになったのか、70年代から80年代にかけてそのレポートが一斉に発表された。分かったことはひとつでアメリカの製造業が日本に負けた理由はアメリカの製造業は経営戦略で動いていたから。日本の製造業はもうひとつ、経営戦略とは別の現場戦略というものを持っていることが分かった。現場戦略展開にやられたと。80年代を契機にアメリカの大学にはものづくり学科が生まれた」と説明した。

  「アメリカが調査に入ったとき現場戦略という言葉をきちんと展開しておりますということを説明しえたのは唯一トヨタだ。それが80年代から90年代にかけてアメリカから始まってヨーロッパに伝わり、企業の現場戦略は欧米に一斉に展開した。唯一日本だけが現場戦略に取り組んでこなかった。

  もともと日本は現場が強い国だった。現場戦略を持たなくても企業がその上に乗って経営戦略を展開しているが、理解度がないままに90年代を過ごした」と日本経済の停滞の背景に触れた。

  「21世紀に入って欧米の動きを見ると現場戦略という話があるようだと。現場には現場の智恵がある話がやっと理解できた。経営戦略でやっているが現場戦略をきちんと持って展開しているかどうかということ。これをやれば現場のアイデア、現場のヒントを得た者の積み上げでもっと勝てる。トヨタの強みもかなり泥臭い話だ」などと講演した。

  講演のあとは経済団体や金融機関が参加して中小企業支援相談会が行われた。


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