2006年 2月 8日 (水) 

       

■ 華やかに「謝肉祭」の旋律 鈴木理恵さんが演奏会

     
  曲の解説をする鈴木理恵さん  
 
曲の解説をする鈴木理恵さん
 
  盛岡市出身で、ウィーン在住の鈴木理恵さんのピアノリサイタル第68回ラ・ラ・ガーデンコンサート「悲愴(ひそう)の響きとカーニバル」が5日、雫石町のラ・ラ・ガーデンホールで開かれ、約100人の来場者は、鈴木さん自身の解説付きの演奏会を楽しんだ。

  前半はヨハン・クリスチャン・バッハ作曲の「ソナタ作品17−2」で開幕。モーツァルトの「ファンタジー・KV475」、ベートーベンの「ソナタ作品13『悲愴』」と暗い雰囲気の作品で構成。

  「悲愴」は耳が聞こえないという絶望の中で書き上げられた作品。鈴木さんは「ベートーベンほどの天才でも試練をへて、人間的に成熟して行き着いた作品に胸を打たれる思い。その悲しみの旋律と、喜びの日々を思い出している第2楽章もぜひ聴いてほしい」と語り掛けた。

  「前半と後半をがらっと変えるのが自分の意図」というように後半では華やかなR・シューマン作曲の「謝肉祭」作品9の全曲を披露。今の時期はちょうど、ヨーロッパでは謝肉祭に当たるという。ウィーンにはダンススクールがたくさんあって、舞踏会に踊りに行くという習慣が今でも残っていると紹介。

  シューマンがエルネスティーネという女性と短い恋をしていた時期に書かれた「謝肉祭」。彼女がアッシュという街の出身だったため、そのつづり「Asch」の4文字を鍵盤状の4つの音に置き換え、それを基に21の小曲にしたという。

  「10数人の登場人物が出てくるが、それはシューマンという一人の中の10何面性をも表しているのでは」と鈴木さん。「シューマンはロマンチックなもの、ファンタジーにあこがれている人だった。実生活を生きるのは大変だったんだろうと、曲の中にも見るような気がする」と解説。

  場面ごとに展開されるさまざまな情景は、鈴木さんの指で多様な色彩を与えられ、来場者を酔わせた。


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