2006年 2月 27日 (月) 

       

■ 住民減の「ニュータウン」を守れ 再生への取り組み始まる

     
  分譲から30年が経つ松園団地  
 
分譲から30年が経つ松園団地
 
  盛岡を代表する新興住宅地の松園団地で、分譲から30年を経て高齢化と人口減少が始まっている。1972年入居開始の「松園ニュータウン」は、85年のピーク人口約1万4千人が現在は1万人前後に減少。後発の「サンタウン松園」「パークハイツ小鳥沢」を合わせると団地全体で1万7千人台を保っているが、新興住宅地に特有の形で少子高齢化が進んでいる。そこで地域コミュニティーを維持するため、官民の参画でまちづくり研究会が開かれるなど、住民による新しい取り組みが始まった。人口構成の均質性が高いニュータウンが一気に衰退しないよう、足並みをそろえて街を再生する方策を探っている。

 2000年国勢調査をもとにした「盛岡の人口」で集計した松園団地の人口は、75年の4447人が、80年には1万2590人に増加。2000年には1万7818人に達したが、団地内の3つの分譲地区の人口構成比に変化が起こっている。

  松園ニュータウンは85年の1万3879人をピークに減少し、86年入居開始のサンタウン松園、89年入居開始のパークハイツ小鳥沢が補う形で団地の人口は微増を保ってきた。2000年にはニュータウン1万651人、サンタウン4425人、パークハイツ2742人と、先発と後発の分譲地区の人口が接近した。先発地域で過疎化が進んだことによる。松園団地の65歳以上の高齢化率は10・2%で市平均の15・6%を下回っているが、ニュータウンだけを見ると14・1%で、市平均に急速に近づいている。2005年国調の結果を待てば、傾向はさらに増幅されているとみられる。

  生活支援サービス産業まちづくり研究会(座長・久木田禎一いわて産業振興センタープロジェクトマネージャー)は松園団地の人口動態に都市型の高齢化社会の問題点を見いだし、モデル地域として都市再生のコミュニティービジネスの可能性などを探る。今月には松園地区活動センターで市や地域住民を交えて意見交換し、地域の現状を確かめた。

  久木田マネージャーは「盛岡にマンションが増えているのは子育てなどが終わって夫婦二人や一人になって移り住んでいく人が多いから。ハードを売るだけでソフトがついていなかったことによる」と話し、松園住民の都心回帰を指摘する。

  「まだ元気で介護を必要とするには至らないが、老夫婦で暮らすには不便を感じている人たちの生活の支援をコミュニティービジネスやNPOでできないか探っていきたい」と研究会の狙いを話す。同センターの高舘信雄グループ総括リーダーは「まちづくり事業は中心市街地活性化だけでない。課題があるところは大規模開発の松園も同じで、地域的なプロジェクトが必要」と指摘し、複眼的な都市再生を求めている。

  会合では「ニュータウンは一気に作られて一気にゴーストタウンになっていくのではないか」「空き家が増えているので、住民が集まると空き家を借りてグループホームにしたらという話が出てくる」「松園は人が財産ではないか」などの意見が出たほか、ライフサポート松園の活動など、住民意識の新たな高まりが紹介された。

  出席者の盛岡市職員で松園在住の高橋聡治さんは「松園は同世代の人たちが一斉に家を建てた街。自分たちが住んだ街だが子供たちは外に出ていって、気が付いてみると同級生は2人しか残っていないということになる。松園の中にも新旧の違いが出てきている」と話し、生活実感をもとにニュータウンの街づくりについて考えていた。


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