2006年 3月 1日 (水) 

       

■ 〈賢治の歌〉326 望月善次 プジェー師は古き版画を

  プジェー師は
  古き版画を好むとか
  家にかへりて
  たづね贈らん
 
  〔現代語訳〕プジェー神父は、古き版画を好むとか聞いています。家に帰って探して贈りましょう。

  〔評釈〕『新校本全集』の整理に従えば、一応は「歌稿〔B〕」「大正五年三月より」八十四首中の二十八首目。しかし、実際は「280歌」などの次のページに在る「われはこの〔「284歌」〕」の下余白に書き込まれている。「離れているけれども、追ったページとしてみればつづいているので、280の下へ書いて書き切れず、一枚めくって284の下が空いている所へ書いたと考え、つづけて配列する。」が、『新校本全集』〔第一巻/校異編、p47〕編者の解釈。第四句には、「かへして」もあった。第四・五句は、短歌としての甘さの問題も残るが、話者のプジェー師への好意は明らか。後年の文語詩「浮世絵」との関連は、宮沢賢治研究会編『宮沢賢治 文語詩の森』(柏書房、一九九九、pp103〜110)を参照。
(岩手大学教授)

本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします