■ 結いの精神を生かして 紫波町議会で藤原町長が所信表明演説
|
はじめに
第444回定例議会開会に臨み、平成18年度町政運営の所信を申し述べさせていただきます。
私は、このたびの紫波町長改選により、2月8日から新たな任期が始まっております。初心に返り、全身全霊で町政の発展に尽くしてまいります。各位のますますのご指導とご鞭撻をお願い申し上げます。
昨年は、町制施行50周年の記念すべき年でありました。半世紀にわたり多くの町民各位と議員各位の努力の成果で紫波町は発展を遂げてまいりました。将来の更なる発展に向けて、共に英知を結集しながら、皆様とともに取り組んでまいります。
長期低迷が続いていた日本経済も底から抜け出そうとしています。紫波総合高等学校の4月の新卒者就職内定率は前年同月比で10%上回っております。東北の景気指標でも有効求人倍率が向上しており、好調な自動車関連、医療・福祉分野など、今後の景気動向の上昇を期待するものであります。
昨年は残念なことに、片寄地区山林火災が発生しました。平成9年にも同地区で発生しており、2度目の山林火災でありました。災害に遭われた皆様にはお見舞いを申し上げますと共に、春に現状復旧のための造林事業を行います。今後においては、山林火災発生危険期間の入山規制処置等の予防対策を講じてまいります。
災害はいつ発生するかわかりません。平成14年の水害の反省に立ち、各種対応・実施してまいりましたが、引き続き関係機関に要望しながら進めてまいります。万が一、大規模災害が発生した場合の対策として、災害時等応急対策協定を締結し、それぞれの企業の皆様に支援をお願い申し上げております。また、今年度も大規模災害訓練を実施し、町民の皆様が安全で安心して暮らせるまちを目指してまいります。
現下の地方自治体を取り巻く環境は、過疎化と少子高齢化の進展に加え、地域経済の活力低下という日本が経験したことのない早い速度で到来しており、極めて厳しい状況にあると言わざるを得ません。このような中にあって、多くの町村が市町村合併という重く困難な課題を担ってまいりました。当町は、町民の皆様と協議し、自立の道を選択したものであります。
今回の市町村合併は、本格的な地方分権推進の受け皿もさることながら、むしろ国・県・市町村共に厳しい財政状況であることによる構造改革に自治体として対応する組織を作るために進められております。当町では平成16年に持続的に自立できる紫波町行財政計画を策定し、財政計画、業務の見直し、職員の定数・資質の向上等本計画の2期計画に向け、更に検討を加えながら、自らの見直しを進めております。
国が進めております三位一体改革で3兆円の税源移譲は実施されましたが、諸負担を地方に負担転嫁しており、地方分権を進めるにあたって極めて不満な点であります。しかしながら、地方にとっては長年の課題であった税源移譲を受けた点は、地方6団体の運動の成果であり、今後も国と地方の協議の場での成果を見守りながら発言をしていく必要があります。
岩手県内でも町村の数は3月6日から22町村となります。日本の国土の保全と食料の供給など、国民の生活に必要な部分を支えているのが農村漁村の町村であると自負しております。その役割を永遠に持続させるためにも、地域が持っている特色を活かし、それぞれの持っている力を発揮しながら、そこに住む人々が誇りと愛着を持てる魅力あるまちを実現していくことが求められることでしょう。循環型社会の構築を目指し、環境と福祉の町で活力ある人材育成と生きがいを実感できるまちづくりに向け全力を傾注してまいります。
1「結い」の精神で活力ある暮らしのできるまちを目指すことを申し述べます。
昭和40年代までの農村社会の中には「結いっこ」という言葉が残っていて、農繁期には農作業をお互いに助け合っていました。「向こう三軒両隣」の助け合いも結いの精神であったと思います。当町は、平成17年4月に協働支援室を総務課内に設置して事業の推進を図っているところであります。町民が自立し、それぞれの価値観を持って、自主的で公益的活動を行っていくことが重要です。お互いを認め合い、町民・企業・行政は話し合いによりそれぞれめざす目的の理念の共有を図り、組織のコーディネートや意見調整を図る役目を担ってまいります。紫波町の協働を考える会議の設立を10月に組織し、協議し、今後の進め方については、協働の考え方を活かす住民参加ルールを策定してまいります。
「いつでも誰でもどんなことでも本音で話し合う」ルールづくりが必要であり、多数の町民の手による作成を目指してまいります。住民参加を推進するために中間支援センターを設置致します。今後、庁舎以外の適所を考慮し情報収集に努めていきます。町民の皆様が学びやすく、情報を入手できる拠点になるよう努めてまいります。さらに、地区創造会議の創設については、町民一人ひとりが参加出来る範囲を適切な規模単位にし、参加しやすい環境を作って行こうとするものであります。
今までも、結いのまちづくりは数々の実践と成果を上げてまいりました。グローバリゼーションの更なる進展に向け、住民ニーズを的確に把握するとともに、価値観の多様化による行政需要の肥大化を防ぐためにも施策事業の優先順位を明確化するなど、あらゆる場面で共に話し合い、助け合いの精神で結いのまちづくりを進めてまいります。
2 食育推進で健康で明るい暮らしを目指すことを申し述べます。
不安の中に米国産牛肉が輸入解禁されたのでありますが、検査の結果、危険部位である背骨が混入されていることで即時輸入禁止となり、政府の責任問題に発展しています。食品の安全基準の高い我が国の実情に即していなかったものであります。長い間築いてきた有名ブランドの会社が安全基準を守らないがために一瞬の内に倒産に追い込まれるなど、自由化については、今後は慎重にするべきであります。
また、わが国の食育への関心が深まり、国において食育基本法が策定されたことで当町において、10月に食育推進主幹を配置したところであります。食育の目標は、食に関する消費者の主体性を取り戻すことではないでしょうか。その第1の担い手は、「家庭」であると思います。
当町は、循環型まちづくりを掲げ、えこ3センターでは有機資源循環として優良コンポストを生産し、農地に還元することで安全・安心の美味しい野菜、果物、米が特産化されております。地産地消に力を入れ、健康づくりや農業の生産現場での体験型農業も併せ、食材の安全性確立のためトレーサビリティーシステムによる情報公開を進めてまいります。そして、地産地消で地元食材が健康に最も良いことを意味する「身土不二」の理念浸透を図ってまいります。今年度は、専門知識を有する者、関係機関、団体、消費者、農業者等幅広い分野からの意見を基に紫波町食育推進基本計画を策定し、広く町民に広報してまいります。
次に、食育関連講座では健康のために伝統食を取り上げ、全町規模と地域ごとに分け、子どもと若い世代を取り込んで実施してまいります。
次に、学校給食への食材供給であります。食材供給率向上に向け、一層食材生産供給組合の体制強化と組合員の生産技術向上を図ってまいります。子ども達が食の大切さと生きる喜びを実感できるよう体験事業を実施してまいります。一匹のカツオが1キロになるにはイワシ10キロが必要です。イワシが10キロになるには、100キロの動物性プランクトンが、100キロの動物性プランクトンには、1トンの植物性プランクトンが必要になると言われています。
その植物性プランクトンは山や森の木々が落とした葉の養分で育ち、川に流れて海にそそがれて行きます。木々の植物は、太陽のエネルギーを使って光合成を行い酸素を作り出し、地球上のあらゆる生命を支え、遠い過去からずっとつながっています。未来はすべての生き物と一緒に存在しております。健康で明るいまちづくりのために食育推進で、未来に向かって邁進してまいります。
3 みんなが安心して快適な暮らしのできる地域社会を形成する政策について申し述べます。
まず、最初に少子化についてであります。このままの出生率で行くと日本の100年後は半分の人口になると言われています。500年後には縄文時代と同じ13万人とも言われています。少子化対策が高齢化対策に比べ、大きく立ち遅れ、社会問題となって、クローズアップされてきたのはごく最近であります。
我が国の合計特殊出生率が毎年低下し、ついに1・29人となりました。当町では1・47人となっております。人口を維持するためには、2・08人の合計特殊出生率が必要と言われており、いかに少子化が急速に進むのかが明確であります。このような状況から国では少子化・男女共同参画担当大臣を新設し、子ども・子育て応援プランに基づき、保育所整備等にも力を入れてきました。出産一時金は10月より引き上げられます。また、現在小学校3年生までの児童手当は小学校6年生まで拡大され、所得制限も緩和されます。当町としても児童窓口の充実、各種子育てを支援しながら対応してまいります。
次に精神障害者小規模通所授産施設さくら製作所の進捗状況でありますが、17年度事業は予定通り進行しており、18年10月開所を予定しております。作業所が移転することにより、幅の広い活動を予定致しており、新規の事業も取り入れながら運営がなされるよう期待しております。
次に障害者の福祉サービスは「自立と共生」を目指して、3障害者が一元化されたサービスを利用し、障害区分の判定は矢巾町と共同の審査会で効率化を図ってまいります。また、サービスの利用には1割負担になりますが、所得に応じた負担の仕組みが設定されており、安心して利用できるようにしてまいります。
次に介護保険制度が見直され、新たな制度として4月1日から発足されます。この新しい介護保険制度は「介護予防と自立支援でいつまでも自分らしく」をキャッチ・フレーズに策定されました。平成12年に発足以来5年目でその全般に関して検討が加えられたものであります。特徴はキャッチフレーズのとおり、介護予防、自立支援を行い、要介護状態にならないようにすることで元気な高齢者を増やすことであります。保険料につきましては、3483円と設定したところであります。この金額は現在の料金より、11・8%の伸び率となり、盛岡広域圏では最低となっております。現在まで実践してきた元気はつらつ紫波計画の成果であると考えます。
次に地域包括支援センターと介護予防拠点整備であります。保健センター内に地域包括支援センターを併設し、さらに介護予防を行う拠点整備をしてまいります。この施設は筋力トレーニング及び栄養改善事業が効率良く行われる機能を持ち、食育推進主幹とタイアップした事業も可能とするものであります。
次に創設された地域支援事業の概要であります。高齢者の介護予防を重点的に行う「介護予防事業」と「包括的支援事業」及び「任意事業」が行われます。介護予防事業は虚弱高齢者の把握と身体、生活状況に応じた事業を行います。包括的支援事業は地域包括支援センターに所属する主任ケアマネージャーと保健師及び社会福祉士で事業を実施します。任意事業では高齢者の地域生活を支援する事業を行います。保健関連事業としては、肝炎対策事業と高血圧ストップ作戦事業を更に内容充実を図りながら実施してまいります。また、町民誰もが88歳になっても自分の事が自分でできる自立した高齢者を増やすため、元気はつらつ紫波計画の事業推進に力を入れてまいります。
次に、町民課窓口業務でありますが、職員の接遇徹底と時間外延長の取り組み及び休日等諸証明の発行などサービスの向上を図ってまいります。年度後半には住基カードを活用した諸証明の自動交付機を導入し、待ち時間短縮と午前8時30分から午後8時まで年中無休対応により、サービスの向上に努めます。システムについては一部を奥州市と共同で利用し、導入時と保守経費の節減を図ってまいります。なお、現在、住基カード発行枚数は2月末日で3600枚で、普及率は10・6%となっております。
次に火葬場の設置については、現在、設置場所、整備方針を精査しているところでありますが、年度中に、将来の維持管理面と財政状況を勘案しながら設置場所と建設の手法等を決定し、20年度内の供用開始に向け取り組んでまいります。
次に資源リサイクル推進事業は焼却ゴミを減量するために資源保管庫の設置補助金を出し、各行政区に1カ所の設置を目標として地域で資源回収の機会を促進してまいります。また、品目ごとに回収量に応じた補助金制度の充実を図りながら回収量の増加と、焼却ごみの減量に努めてまいります。
4 産業振興で潤いのある暮らしのできる政策について申し述べます。
循環型まちづくりの中で検討してきた紫波町バイオマスタウン構想は、現在、国のバイオマス・ニッポン総合戦略推進会議で審査が進められ、17年度末までに認定が決定される見込みであります。平成18年1月31日現在、全国33市町村が公表され、当町は岩手県内第1号であります。この構想のもとに環境に負荷の少ない循環型社会の構築を一層確実なものとしてまいります。
森林資源循環では、星山小学校改築に町産木材を活用し、暖房はペレットボイラーを導入します。一般住宅の町産木材利用促進について創設した補助金制度は、一括交付などにより、対象物件を拡大し、より利用しやすい制度に改正致します。木材の持っている良さを引きだし、木材消費の拡大を図ってまいります。昨年、発生した片寄地区山林火災跡地は被災者の方々の熱い思いのもと、この春に全面積復旧造林を終了し、育林に努めてまいります。また、山林火災跡地は特用林産物生産組合を結成して入山規制を予定しております。6月には、第50回の「岩手県植樹祭」を佐比内地区で実施し、県内各地からの参加をはじめ、小中学生、町民の多くが参加していただけるような準備を進めております。当町の千年の森構想では環境学習など様々な機会を通して森林愛護の協働活動を展開してまいります。
次に平成19年度から始まる品目横断的経営安定対策は担い手に対象を絞り、経営全体に着目した対策に転換する戦後農政の抜本的見直しとなるものです。現在、担い手としての認定農業者は195の個人、法人が認定されております。今後、認定農業者をはじめ、集落営農の組織化によって、新制度への移行を図る積極的な農家の支援をしてまいります。遊休農地の有効活用でありますが、現在、優良遊休農地は24ヘクタールあると言われております。今後団塊世代の退職、Iターン、Uターンによる就農拡大を目指し、農地の利権取得面積要件の特例措置を活用するなど、遊休農地の有効活用促進に取り組んでまいります。
次に農業の6次産業化であります。担い手確保と交流事業の拡大を目指して整備を進めてきたワイナリーは熟成室整備を予定致しております。17年産は、秋頃には「紫波自醸ワイン」として1万本を製品化し、販売の予定であります。さらに、県内有数の果物の生産地として、果実を活かした特産品開発にも取り組んでまいります。
次に組織改革の見直しの中で商工観光課を設置し、産業創出と交流人口の拡大を図ろうとするものであります。県が創設を目指している特定区域における産業の活性化に関する基本的指針で企業誘致を促進するために、補助金の引き上げ、融資枠の拡大、県税の課税免除枠の拡大をしようとする内容であります。市町村が講ずることが望ましい施策として、現在当町でも実施している課税免除等以外、補助金とその他独自の施策について検討を図り、企業誘致に対応してまいります。そして、工業団地の在り方も検討し、将来に備えてまいります。地元に就職を目指す高校生の就業選択支援として、インターンシップ事業を町内企業の協力を得ながら進めてまいります。日詰商店街の空き店舗対策については、商店街の賑わいの創出を図ろうとするもので、事業の推進、支援をしてまいります。くらしの道ゾーン整備への積極的支援を行い、早期に完成に向けて努力してまいります。
紫波の四季彩交流事業は、町内外の皆様を対象に観光交流協会に委託しながら、バスツアー等を実施する事業です。当町はバラエティーに富んだ観光スポットが多いことから、観光バスが毎回満席になる盛況であります。持っている資源を活用し、町内外にPRしてまいります。また、若者の地方体験交流支援事業は都市の若者のホームステイを受け入れ、若者と地元相互に成果を獲得しようとする事業であります。バラエティーに富んだ交流を目指して、地域づくり支援者の拡大を図ってまいります。
平成13年度を初年度とする環境・循環基本計画「環境百年計画」の見直しが平成17年度に行われ、18年度後期計画がスタートします。地球温暖化対策として京都議定書の実行が求められておりますが、環境課所管で現在まで進めてきた太陽光発電導入助成事業を見直し、未利用エネルギー導入促進事業を創設します。太陽光、太陽熱温水器、風力発電、電気自動車、ハイブリッド自動車等の導入助成で、その普及をなお一層図ることとしております。
また、公共施設未利用エネルギー率先導入事業により、保健センターに太陽光発電設備を導入してまいります。さらに家庭での省エネルギーの意識啓発として、キッズISO、地球温暖化防止エコチャレンジ推進事業に取り組んでまいります。環境と福祉の町紫波の構築に向け、町民・企業・行政の協働・連携が重要であります。NPO紫波みらい研究所が推進する環境活動から地産地消、地元学、森林保全等循環政策推進事業により環境学習、循環産業の創設に結びつく事業の展開をするとともに、環境マイスター養成講座及び環境マイスターフォローアップ事業を行います。地域の環境活動者を育成することにより環境保全意識の向上に努め、5カ年で100名の環境マイスターを養成しようとするものであります。
5 生活基盤が安定した政策の実現に向けてについて申し述べます。
昨年末以来の大雪、寒波で町道除雪につきましては、ご迷惑をおかけ致しました。道路管理は、関連施設を適正に維持管理し、道路利用者の安全確保に十分留意していくことを基本に行ってまいります。破損個所が多くなり、経費は年々増加の傾向にあります。道路新設改良につきましては、長岡、徳田線、山屋地区の幅員が狭小・急勾配で未舗装区間がありますので、調査費を計上したものであります。継続事業として3カ所を集中的に進めてまいります。街路灯の設置については、防犯対策、交通安全対策としても重要であり、民間からの寄贈も含めて順次設置を進めてまいります。河川改良、維持につきましては、住宅周辺での災害防止の点からも重要であります。流路の改善及び河床の拡大により多雨時のはんらん防止に努めてまいります。
住宅耐震診断については、安全で安心出来る住環境の確保に向けて、老朽化した民間住宅の耐震診断をすることにより、快適な住環境整備に努めてまいります。都市計画道路東裏中新田線整備につきましては、まちづくり交付金事業を活用し、くらしの道ゾーンとして特性を活かし、安全で快適な生活空間確保の創出と地域経済の活性化を図る面からも計画的に事業の推進を図ってまいります。日詰駅前地区土地区画整理事業は着手以来4年目を迎えております。18年度は都市計画街路日詰駅線南側の家屋移転、宅地造成工事、区画道路工事を進める計画であります。まちづくり交付金事業のソフト事業は、推進協議会や町内会、商工団体などと連携したイベントを日詰駅前で開催し、賑わいを創出しながら消費者との交流促進、駅前商業の振興と活性化を図るための支援をしながら進めてまいります。
快適なくらしが求められる中で下水道整備は計画的に進行されております。公共下水道整備につきましては施設を改善しながら、機能強化と供用区域の拡大について、順次計画的に進行しているところであります。農業集落排水事業につきましても、18年度は処理場建設が計画されており、管路延長工事も順次進行の予定であります。
町管理型浄化槽整備事業につきましては、注目された事業でありまして多数の自治体から視察に来庁されております。新年度から本格的事業に着手しますが、地域説明会を開催しながら、5カ年で整備を終了出来るように進めてまいります。諸先輩が財政の厳しい中、下水道整備を進めてきましたが、今後、将来的な方向を模索しながら、料金を含めて検討してまいります。
水道事業は快適なくらしに欠かせない事業であります。基本計画の後期計画の初年度にあたり「安心」「安定」「持続」できる水道をめざし、一層効率的な経営を推し進めなければなりません。現在、水道普及率が95%であります。未給水対策として、長岡横沢地区の給水を目標に配水管工事を計画致したところであります。今後とも未給水地域の解消に努めてまいります。石綿セメント管更新事業につきましては残り16キロありますが、引き続き解消に向け努力してまいります。水道施設維持管理については、包括的業務委託を実施しておるところであります。平成19年見直しになっておりますので、コスト縮減と合理的管理運営面から検討する必要があります。水道の有収率向上対策については、昨年は古館地区の調査を実施した結果、有収率向上が図られたところであり、新たに日詰地区の漏水調査を実施してまいります。今後とも有収率向上を図り経費節減を進めながら、安定した経営を図ってまいります。給水台帳の情報化につきましては、17年度から19年度まで3カ年計画で取り組み、完成後は管理運営につきまして、即座に情報提供でき、効果が発揮できるものと期待致しております。
6 小さな組織で活力ある政策の実現について申し述べます。
町村が自己決定、自己責任に基づき多様で個性的な地域づくりが行える体制づくりが求められています。予想される第2期の分権改革は更に厳しいハードルを乗り越える態勢を構築し、敷衍して行くことが正に求められるものと思います。その時にあたり、狼狽えるのではなく、先見性のある行政機構改革、職員の資質向上、管理機能改善を図り、町民・企業・行政の三位一体で小さな組織で活力ある結いのまちづくりを進めてまいります。
新年度に向けた組織改革を実施致しますが、見直しの背景について申し上げます。地方分権化で自治体の抱える課題に対応すべく組織のフラット化に取り組んできました。その後、町民を顧客と捉え、高い行政サービスを提供できる仕組みを構築するために経営品質の考え方を導入し、各課アセスメントと改善に努めてきました。組織のフラット化による室間の横断的連携は強化されましたが、依然として、課を越えた連携に至っていないことから5事業本部制で対応してまいります。見直し理念としては、「小さな組織で大きなサービス」を基本とし、あらゆる状況に柔軟に対応可能な組織を目指します。理念と情報を共有し、自ら考え行動するとともに、相互に連携した最適可能な組織を目指し、新たなニーズを地方分権化社会に対応できる組織体として、町民の付託に応えてまいります。行政経営品質向上活動については、各段階の研修を経て、認定書が交付されるものであります。この成果に基づき、各事業本部の経営理念が構築され、その戦略が作成されるものであります。抱える課題を解決するためには、組織改革のみではないと思います。職員一同一丸となり、不退転の決意で取り組んでまいります。
住民満足度調査結果につきましては3月中に公表される予定になっております。その結果につきましては、経営品質会議、紫波フェローの皆様に検討していただき、町民満足度向上のため意見を集約し、町政に反映してまいります。
紫波町総合計画は後期計画初年度になります。前期計画の成果について、環境・循環基本計画と調整しながら、3月末まで公表する予定であります。その結果を検討し、後期計画の実行に向けてまいります。
電子自治体を目指した業務改善であります。摂南大学で調査の結果、町村の部で電子自治体ランキングにおいて、当町は総合第6位となり、行政サービスの部では第1位であるとの評価を受けたものであります。特に情報公開、広報活動で高い評価を受けたものと思われます。今後一層、住民サービスに向けた電子自治体を目指してまいります。ポータル紫波のリニューアルを検討しており、携帯機能を活用した情報提供やソーシャルネットワーキングサイト機能、ブログ機能を加えるなど利便性を追求してまいります。
次に防災について申し上げます。国民保護計画の策定は、我が国に対する外部からの武力攻撃やテロなどが万が一起こった場合には、町民の安全を守るために、国・県・町が連携して対応することとしております。町は被害を最小にするため、国民保護計画を委員の意見を聞きながら策定しようとするものであります。大規模災害を想定した総合防災訓練の実施は現在宮城県沖地震など、今後発生が予想される地震災害に対し防災関係機関と住民が連携し訓練を行い、防災意識の高揚を図るものであります。自主防災組織の育成には、自らの地域は自ら守るを基本に、引き続き自治公民館組織に防災部分の活動を行っていただけるようお願いしてまいります。
交通指導員としての資質向上のため、各種の研修会を通じて、児童生徒、保育所、幼稚園、高齢者の事故防止、飲酒運転者の撲滅、自転車盗難等幅広い指導と啓発にご協力をいただいております。防犯関係では町防犯協会が自主防犯意識の醸成と、防犯連絡所の機能強化を図っております。防犯隊活動では防犯パトロール年間60日を目標に活動しており、犯罪抑止力に多大の効果をはたしていただいております。
消防活動については団員の資質向上のため、団独自の訓練と消防学校での訓練を行っています。平成7年に策定した消防計画の見直し、緊急時における活動のスリム化や充実を図ります。
また、婦人消防協力隊の皆様には火災予防のために積極的に活動をいただいており、消防活動をはじめ、防犯・防災活動にご協力を賜っております皆様には、敬意と感謝を申し上げる次第であります。
7 将来の担い手育成で活力あるまちづくりについて申し述べます。
将来の担い手となる青少年育成に必要な学力向上に大きな期待をするものであり、豊かな心を育成することはいのちを大切にする心を養うことにつながります。新世紀未来宣言の一節に「モノを粗末にすることは、すなわち生命を粗末にすることにつながります。モノをたいせつにするこころ、生命を育むこころ、郷土の文化と伝統を伝えていくこころを100年後にも引きついでいきます」とあります。この宣言を理解してもらうことが次代を担う青少年に必要であります。命の大切さと命を育む心を養う力をつけ、自発的で意欲的な担い手になるためには、考えている事を表現できる力が必要であります。日本語を正しく表現し、正しく理解するために基本的な国語力を身につける必要があります。そして、世界の共通語である英語を学習し、世界で活躍できる担い手になってもらいたい。このようなことから、小学校低学年からの英語学習を導入したところであります。
安心して学習できる学びの施設として、小学校の改築が予定されております。今回の施設につきましても、当町での理念で進めて来たウッドマイレージを考慮して、町産木材の活用を進めてまいります。学習意欲の向上、生命の大切さを理解してもらうため、木材の持つ柔らかさとぬくもりを感じさせる学び舎の確保が大事であります。暖房設備につきましては、環境に負荷をかけることのないようペレットボイラーを使用する予定であります。
男女がお互いの意思を尊重しながら自立し、それぞれ、いきいきと暮らすため、多くの住民が男女共同参画の意味を理解し、行動することが重要であり、策定されたものが紫あ波せあっぷるプランであります。男女共同参画サポーターを認定し、認定者自らが学習を通じて、役割を認識するとともに、それぞれの意見交換の中から、自分達のできる事が何かを検討したところであります。
図書館建設計画に向けては、将来の図書館の有るべき姿を検討する必要があります。結いのまちづくりの中でどのように図書館運営に関わっていけるのかを見い出すため、公募委員、学識経験者を交えた検討委員会を設立し、先進地研修、学習会と合わせて進めてまいります。
むすびに
地方分権一括法の施行により、自己責任で自由裁量権が認められましたが、市町村はそれだけに責任の重大さを十分に認識し、行政運営して行くことが必要です。我々にとっては、長年の念願であった税源委譲の突破口が開かれたのであります。補助金、負担金の有り方については満足のいくものではなく、今後の国と地方の協議の場に課題は残したところであります。かたや今、国は自治体破綻法制度を創設し、多額の借金を抱えた自治体を民間企業のように破綻再建させる新たな法制度の導入が浮上しております。また、生活保護費の地方負担は今回は見送られたものの、いつかは負担を求めてくるものと思われます。このような事を思う時に、我が町の持続的に自立できる紫波町行財政計画を確固たるものとして行く必要があります。そして自立の道を歩む決意を基に、計画を実行してまいります。
結いのまちづくりは、財政が厳しいのでみんなでまちづくりをしましょうということではありません。地域の事を一番知っているのは、そこに住んでいる方々であります。有能な方がたくさん住んでおられます。その知恵を大切に生かしていくことであり、共に汗を流していくことこそ大事であると考えます。まだ紫波には結いの心が残っております。庁舎内の情報を開示し、共に理解し合うことが重要です。お互い信頼のもとに成り立つものであります。
歴史や伝統を尊重する心が土台となって、地域が栄えていくと私は信じております。この地は約1200年前、城山高水寺を中心に稲作が発展し、斯波氏の栄華と平泉文化の影響を受けながら、江戸期には町の母なる大河北上川の活用で近江商人の商いの町として酒造で栄えた歴史があります。川の両岸にひらかれた豊かな台地にいだかれ、肥沃な農地が古い時代から先人のたゆまぬ努力で開かれてきました。北上山系と奥羽山系からの豊かな水に恵まれ、その環境を活用して、全国有数のモチ米生産団地は諸先輩方のご努力により今の団地が形成され築かれてきたものであります。その基盤を更に強固なものにしてまいります。白い地図に強い産業基盤を描いて行く必要があると決意を新たにするものであります。
その決意を実行して行く基本となる精神は明治政府で産業振興に寄与し、生涯に約500の会社を作りながらも、一つも自分のものにしなかったと言われる渋沢栄一氏が残した言葉にあります。「義を見てなさざるは勇なきなり」、「利を持って利とせず、義を持って利とす」。この言葉を指針に紫波町政を進めてまいります。
最後に、食育推進で健康で明るい暮らしを目指すとともに、結いの精神で助け合いと協働の心をもって、循環型まちづくりの構築に向けて更に発展できるまちを目指して努力してまいります。議員各位のご指導と町民各位のご指導を切にお願い申し上げ、私の平成18年度の所信といたします。
|
|
|
|
|
|
|