2006年 3月 2日 (木) 

       

■ 〈賢治の歌〉327 望月善次 プジェー師や、さては浸礼協会の

 プジェー師や
  さては浸礼教会の
  タッピング氏に
  絵など送らん
 
  〔現代語訳〕プジェー神父や浸礼教会のタッピング牧師に絵などを送りましょう。

  〔評釈〕「280・281c歌」の処置に準ずれば、「歌稿〔B〕」「大正五年三月より」八十四首中の二十九首目で「280・281d歌」。プジェー神父については触れてきたから、タッピング(Henry Tapping1857〜1942)に簡単に触れよう。盛岡浸礼教会(パプティスト)の牧師。賢治自身も、高等農林時代に、そのバイブル・クラスに出席していて、作品中にも文語詩「岩手公園」等に登場する。一首の内容は、「プジェー神父やタッピング牧師に絵などを送りましょうか。」というほどの単純な内容で、一首全体の出来としても特記するほどのものはないと読んだが、第二句から第四への「さては浸礼教会の/タッピング氏に」は、意味に従った行分けと短歌定型とのせめぎ合いがあり、賢治の定型操作力をも示している。
  (岩手大学教授)



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