とある昼下がりの商店街。おかあさんと連れだってやってきた男の子。…最近では国際化も進み、お相撲さんと行き交うような下町でも、「肩に猿を乗せたインド人」にだって…、いやいや、なかなかそうはいかないもの。でも、彼は出会ってしまった。で、おかあさんの「きょう ゆうごはん なにが いい?」に、口をついて出たのが「カレーライス!」
こんち特段の「ごちそう」でもないはずなのに、「今夜はカレー!」と聞くと、なんだかワクワクしてしまうのもまたジジツ。「きょう ぼくんち カレーライス」って、ついつい自慢げな口振りに、それを聞いたともだちの「いいな いいな」も頷(うなず)けますが、それが八百屋のおじさん、肉屋の奥さん、漬物屋のご隠居、近所のおばあさん、ついにはレストランで食事中のひとにまで伝染してしまうに及んで、町ぐるみが「カレー!」の大合唱。
今は懐かしい下町商店街の日常や風俗人情を、ちょっと変わった登場人物を織り交ぜて描く展開は、作者の得意とするところ。さて、今夜カレーのお宅は、手を挙げて!
【今週の絵本】『ぼくんちカレーライス』つちだのぶこ/作、佼正出版社/刊、1365円(税込み)5歳〜(2005年)
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