05年度農業法人異業種交流セミナー(県農業会議、県農業法人協会共催)が2日、盛岡市中央通のエスポワールいわてで開かれた。県内の農業生産者ら80人が出席し、県産食材を活用した県内の食品メーカーの取り組み事例などに耳を傾けた。
最初に県産業創造アドバイザーの中野勝釋氏が「地域特性を活かした商品開発」をテーマに市場のニーズの把握の必要性などを強調した。中野氏は元大手小売店の生鮮食品担当マネージャー。
「岩手には森林と海がある。岩手は天然の製造プラント。岩手でなければ作れない食材を生産してもらいたい。そのためにお客のニーズは何かを把握すること。味や鮮度、値ごろ、安全、安心のほか、低塩、低糖、低脂肪志向など健康へのニーズを知ること。そして地域特性を生かしたオンリーワンの食材を生産すれば値段で勝負する必要がない」とニーズの把握とオンリーワンの生産を求めた。
中野氏は「量でなく質の追求を。岩手県内ではシイタケ栽培の生産者がグループを組み大手小売店に卸している。仲間を集めグループ化し安定した経営を行う。そうすれば後継者育成にもなり雇用促進にもなる」とアドバイスした。
引き続き食品メーカーが地場食材を使用した商品化の事例を発表した。同市黒川の白石食品工業の高橋松美取締役営業部長は、地場食材でのパンの製造・販売についての取り組みを紹介。
「パン業界も競争が厳しくオーバーストアの状態。そのような中で地場の食材を使用したパンは差別化商品になる。『地域と共に』が当社の方針で地場食材を使用することで岩手の発展に貢献できれば」という。
同社では地場のリンゴ、ヤマブドウ、肉類を使用し地産地消を打ち出した新商品のパンの製造・販売を開始する計画。高橋部長は「岩手の食材と岩手山をシンボルに使用した地産地消の企画商品。期間限定の商品。地場の農業者からの協力を得て製造する」と説明した。
同市本町通にある平安商店の平野隆専務は県産大豆を使用した豆腐や新しい販売方法などを紹介した。同社では96年から県産大豆を使用した豆腐の製造・販売を開始した。「最初、二戸市など県北の大豆生産者を訪ねたがそんなに作れないと断られた。その後、旧玉山村の農協の人に出会い青大豆の存在を教えてもらい使用することになった」と語る。
同社では現在、大豆生産農家と契約栽培を行っている。「03、04年は大豆が不作で単価が3倍に上がり採算割れになった。そのとき農産物の価格変動を知らされた」という。
平野専務は「当社は創業105年。しかし創業百年の老舗も創業わずか10年の会社も土俵は同じ。大変厳しい時代で生き残りをかけている。昨年9月から直販も始めた。車で販売している」と新たな販売への取り組みに触れた。
発言を求められた大手小売店の青果担当者の1人は「消費者のニーズは非常に早く変化している。顕在化したニーズへの対応はどこの大手小売店もコンビニエンスストアも行っている。いかに潜在的ニーズを引き出せるかが勝負」と話していた。
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