■ 日本ペンクラブ主催「平和の日」いわての集い 宮沢りえさんもトークで参加
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「私たちの暮らし」をテーマに対談する井上ひさしさんと宮沢りえさん |
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盛岡市在住の高橋克彦さんと秋田県出身の西木正明さんのテーマは「風土」。高橋さんは「岩手県には幻想的な題材を書く作家が多く、特に現代の県内在住作家では圧倒的にミステリー作家が多い。現実があまりにも苦しいので書きたくないという気持ちがあるのでは」と推察。
西木さんは「秋田県の穏やかで楽な風土からは、石川達三や小林多喜二などものすごい社会派が出ている。自分が置かれた風土と逆の方向に向かう傾向はある」と応じた。
「こころ」をテーマにした浅田次郎さんと立松和平さんの対談では、宮沢賢治の話題が中心。浅田さんは「賢治の童話は寓話(ぐうわ)ではなく、想像力を膨らませてくれるもの。今も賢治の作品を読み直すことがあるが、読むというのではなく、賢治の宇宙に触れる、入るという感じ」という。
立松さんは「賢治の詩『心象スケッチ』はなめらかで美しいが、ちょっと考えるとよく分からない。もっと考えると恐るべき深さを感じる。つらく苦しい現実とは別の生き方もあるという方法を指し示してくれた普遍的な作品」と位置付けた。
森ミドリさんと新井満さんは「ことば」について対談。音楽家でもある森さんは賢治の詩に即興で曲を付けて弾き語り。新井さんは啄木の短歌に曲を付けた歌を、森さんのピアノに載せて披露した。舞台上に招かれた井上会長が賢治の「星めぐりの歌」のメロディーを歌った後、会場全体で合唱した。
「私たちの暮らし」と題して対談したのは、女優の宮沢りえさんと井上ひさしさん。宮沢さんは井上さんの戯曲を映画化した作品「父と暮らせば」(黒木和雄監督)に主演。その話題からトークが展開された。
宮沢さんは「小学生のころ、図書室で友達と原爆の写真集を見付けて『こわい』『気持ち悪い』と通り過ぎてきた記憶が強かった。台本の言葉を演じるためには、過去の現実に向き合わなければと、出演が決まってすぐに広島を訪れた。資料館で小学生のときに見た写真集を買い、撮影中は台本よりも多く見ていた」という。
井上さんは「あの台本を書いているとき、少年が死んだ妹を背負ってぼう然としている写真を飾って、この人たちが言いたかったことがあるに違いないと思いながら書いていた」と話した。
井上さんは県出身の宝塚女優で、広島で被爆して他界した園井恵子のエピソードを紹介。「芝居も映画も音楽も、戦争のない、人が自分らしく生きられる状態だからこそできるもの。何事もない毎日が続いていくのが何より大事だと思っている」と述べた。
宮沢さんは「(『父と暮らせば』の)美津江のせりふの中に『自分が生きているのが申し訳のうてならん』というのがある。愛する人と一緒に暮らせて、おいしいものを食べられる、生きることを意識していない今の時代というものにずっと疑問を持ち続けたい」と涙ながらに話した。
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