2006年 3月 6日 (月)
■ 岩手銀行が東北で初のシングルA S&Pの格付けで
スタンダード&プアーズで「A」の格付けを取得した岩手銀行
岩手銀行(永野勝美頭取)は1日、世界的な格付け機関のスタンダード&プアーズ(S&P)から「A(シングルA)」を取得した。同格付けの取得は県内の企業で初。Aランクの取得は東北の地方銀行の中でも初めて。同行では「A」を取得したことで、地域金融機関として利便性、収益性を高めながら、投資家や預金者、取引先などのステークホルダーに対してさらに信用度を高める。
S&Pは世界的な情報サービス会社のマグロウヒル(本部ニューヨーク、ハロルド・マグロウヒル社長)の経営。同機関は1860年の創設以来、中立的な立場から金融商品や信用力を判断する上で参考となる独自な見解や分析、情報を提供している。
東京オフィスは1986年に開設され、グローバルな視点からあらゆる種類の格付けや信用リスクの分析業務を行っている。
岩手銀行では昨年秋、世界的な格付け機関としてトップレベルにあるS&Pに依頼し、世界的なレベルの中での格付け審査を受けることに経営判断を下した。提出書類のチェック、面接、S&P格付委員会審査などを経て長期カウンターパーティ(長期的視点に立った信用力評価)でAの格付けが出た。
同機関の長期格付けは11レベルで各レベル内でプラス、マイナスやシングルなどがある。最上位のレベルAAAは「債務を履行する能力は極めて高い」を示す。トヨタのグループ会社のトヨタファイナンスはAAA。
ランクAは「債務を履行する能力は高いが上位二つの格付けに比べ事業環境や経済状況の悪化からやや影響を受けやすい」レベル。地方銀行では静岡銀行は「A+」で「A」は岩手銀行のほか横浜銀行など3行。三菱東京UFI銀行などのメガンバンクも「A」。
同行総合企画部の栗谷川幸二副部長は「これまで国内の格付け機関に依頼した。S&Pはムーディーズと並ぶ世界のビック2の一つ。国内格付け機関より大変厳しいことで知られている。今回のAの格付けでステークホールダーに対しては信用度が増す。行員にも大変に良い刺激」という。
S&Pは岩手銀行の「A」の格付け付与理由について、極めて強固な自己資本基盤と良好な資産の質を挙げている。自己資本比率(11・6%)が国内格付け先地銀の中でトップレベルにあり、国際的にも十分な水準と示した。長期格付けのアウトルック(どの方向に向うかの可能性の示唆)は「安定的」と評価し信用力が安定的に推移すると見ている。
ただ収益性では、他の地銀に比べて劣るとし、その要因として保守的な与信方針や限定的な県内の貸出需要で貸出業務の収益性の低さ、高い経費率などを挙げた。
同行ではIR(株主・投資家向け広報活動)を積極的に展開しており、英文版の事業概要も作成している。同行の外国人持ち株比率は05年3月から9月までの間に2・02%増加して8・05%に達した。
栗谷川副部長は「外国人投資家はS&Pの格付けを参考にする傾向が強い。Aの格付けで今後も増えるかもしれない。当行では現在、06年度からの新中期経営計画を策定中。今回指摘された収益性増への取り組みも盛り込まれよう。いずれ今回の格付けを機会にさらにレベルアップしたい。S&Pの格付け依頼は今後も続ける」と話した。
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