2006年 3月 7日 (火) 

       

■ 上空からの光景 磁気状況展で伊藤寛泰さん

     
  伊藤寛泰さんの「densennomachi01」  
 
伊藤寛泰さんの「densennomachi01」
 
  「磁気状況2006Part1」が11日まで、盛岡市上ノ橋町のギャラリー彩園子T、Uで開かれている。市内在住の伊藤寛泰さんと出町隼人さんが、それぞれの会場で作品を展示している。
  伊藤さんは会場Tを使って、2002年から06年にかけて制作した「densennomachi」シリーズ作品9点を展示。パネルの上に多彩な形の銅板や木片などを配し、銅線を張り巡らせた平面作品が中心だ。

  日常生活で空を見上げたとき、視界の中に入る電線。それは厄介者ではなく、人と人の心をつなぐイメージ。「電線で切り取られた空の空間が好き」という思いが、高い視点からの鳥観図を思わせる今回の作品につながった。

  シリーズ第一号として手掛けた「同01」だけは、実際にある地図を基に制作。幼いころからよく訪れていたという県南の祖母の家周辺。その風景や自然の色は「自分の感覚の源」。自分の感性が形成された本の部分であり、原体験のようなものだと思う。
     
  出町隼人さんの「presence・現前に」  
 
出町隼人さんの「presence・現前に」
 

  最終的には鳥観図同士をパズルのように組み合わせて、大きな地図を作ってみたいというのがひそかな作戦。意識して進めてきたわけではないので、今のところはまだうまくつながらないが、これから部分的にパーツを足していきたいと思っている。

  出町さんは同会場Uを使って、いすをモチーフにした16点の絵画作品を出展。さまざまに角度を変えて、一つのいすを描いた作品群は「瞬間をとらえた写真的なもの」と位置付ける。生きている限り、常に動き続ける人間の表情のように、凝縮された時間の中に漂う生命感をつかまえている。

  いすという素材を単独で使うことで、座るべき人間の不在を強く意識。座面の部分に散りばめられた顔料の粉は、さっきまで人が座っていたようなぬくもりを感じさせる。作品の中に人の姿がまったく描かれていないことが逆に、人の気配をかき立てている。

  画面の中に描かれた一つのいすの前に対峙(たいじ)して初めて成立する作品。いすの向きや角度の少しの変化が見る側にさまざまな印象を与える。鑑賞者と作品との距離から、全体のタイトルを「presence・現前に」と名付けている。
  午前10時から午後7時まで。日曜は休廊。

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