2006年 4月 1日 (土) 

       

■ 市民ホールのオルガニスト愛さん退任 柔らかな語り口でも人気

     
  盛岡市民文化ホールの思い出のパイプオルガンと吉田愛さん  
  盛岡市民文化ホールの思い出のパイプオルガンと吉田愛さん
 
  盛岡市盛岡駅西通の市民文化ホールの専属オルガニスト、吉田愛さん(33)が3月いっぱいで退任した。パイプオルガンの本場、ヨーロッパで身に付けた高い演奏技術だけでなく、数々のレクチャーコンサートで見せる穏やかな人柄と、柔らかな語り口も人気を集めてきた。2002年の就任から3年半の日々を振り返った。

  東京出身。武蔵野音楽大器楽科オルガン専攻卒業後、95年からドイツに渡り、リューベック音楽大、同大学院を修了。帰国してすぐに同ホールの専属オルガニストに就任した。

  盛岡を訪れたのは中学校の修学旅行以来。周りの人から心配された冬の寒さは、ドイツと似ていると感じた。市民の印象は「一見閉鎖的だが、打ち解けると人情が厚い人ばかり」。街を歩いていて、通りすがりの人から声を掛けられることもしばしば。アットホームな雰囲気を感じた。

  パイプオルガンはホールの規模や使われ方によって、一つひとつ違う。同ホールのオルガンは、自身が勉強してきたバロック時代の音楽を生かすというコンセプトで造られているため、相性がよく、個性を出して鳴ってくれたという。

  客席との距離が近い小ホールは、演奏しながら観客の反応を、直接感じ取ることができた。演奏後に寄せられる感想から、観客の求めていることを引き出し、次の企画に反映させることもあった。

  レクチャーコンサートが多いのも、同ホールの特長。子供から大人まで、対象はさまざま。演奏家としてだけでなく、人に何かを伝えるということを勉強できたと思う。

  「世界に一つしかない盛岡のパイプオルガン。盛岡の音を、地元の人に知ってもらいたい。盛岡の宝と思ってほしい」という願いを込めて活動した日々。「いろいろな人とのつながりがあり、盛岡ならではのオリジナルなことができたと思う」と満足。6月にはイタリアに渡り、新たな活動をスタートさせる。

  一般の人が聴くことができる最後のコンサートは、21日のパイプオルガンプロムナードコンサート2006(盛岡市文化振興事業団主催)。昼の部「ランチタイムのバッハ」は午後0時20分、夜の部「夕暮れのモーツァルト〜生誕250年記念」は同6時半から。いずれも30分間で開場は30分前。入場無料。各回先着350人、全席自由。開演の20分前から、吉田さんによる曲目の解説がある。問い合わせは同ホール(電話番号は019−621−5100)まで。

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