2006年 4月 2日 (日) 

       

■ 〈雑誌創刊号の話〉248 成ケ沢栄治 「碁マガジン」

 「創刊のことば」で「囲碁ファンは八百万人とも一千万人ともいわれ、その中で圧倒的なファン層は5級前後の人たちだといわれています。そこでなんとか中級から上級へ進みたいという皆さんの要望に答えたのが本誌です。もちろん初級の人たちにもよく理解できるように心がけています…(略)」と述べる囲碁専門誌『碁マガジン』(B5判・140ページ)が、昭和54年10月、一水社から創刊されました。

  創刊号の表紙には、このころ人気の似顔絵画家、針すなおが加藤剣正本因坊を描き、冒頭カラーグラビアにはその加藤が、第32・33・34期本因坊戦を防衛した時の対戦風景を載せます。同じグラビアの「碁の旅」は、白イシの材料である「日向ハマグリ」と、碁盤の材料となる「榧(かや)」の産地、宮崎県を訪ねます。

  白の碁石が貝殻から作られているのは周知のことですが、江戸時代には三河ハマグリが代表格でした。日向ハマグリが使われるようになったのは、明治の後半であるといいます。

  明治26年、大阪で開催された「諸国珍物館」に、食品として出品された日向ハマグリに、碁盤商が目を付けて、職人を宮崎県の日向に派遣したことに始まるといわれます。日露戦争の戦勝景気のなか、日向ハマグリは、肉厚な高級碁石として全国に広がりましたが今では希少品、輸入ものが大半を占めるといいます。

  創刊特集「豪華な顔ぶれのユニークな講座」には、名人大竹英雄「定石から覚える手筋死活」・王座石田芳夫「ヨセは楽なもの」・本因坊加藤剣正「うわ手破り」・碁聖趙治勲「打ち込みはもっと深く」・九段坂田栄男「やさしい置碁布石の感覚」・七段春山勇「星目の定石」など、12名が譜面で実戦的解説をしてくれます。ほかに、指導対決「あなたもプロ棋士に挑戦」や添削指導などもあり、囲碁ファンには楽しくて、ためになる囲碁雑誌です。

  現職のころ、勤務時間終了を合図に、職員室の片隅には、碁盤を囲んで人垣ができるのでした。勝負をかけて熱くなっている二人に対し回りの者は、その展開を冷静に見てニヤリとするのです。ヘボな小生にも、数手先が見えてくるから不思議でした。

  少し前、「ホリエモン」という拝金主義者がいました。お金と株に無縁の小生は「傍目八目」で、やがて「打って上げになる」と見ていました。

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