2006年 4月 4日 (火) 

       

■ 谷間で肩寄せ合う石仏 菊池恒男さんが個展 

     
  菊池恒男さんと作品「オシラサマ」、「遠野五百羅漢」(左から)  
 
菊池恒男さんと作品「オシラサマ」、「遠野五百羅漢」(左から)
 
 

北上市の菊池恒男さん(66)の個展が5日まで、盛岡市大通1丁目のリリオで開かれている。大学時代を過ごした盛岡での初めての個展。東北の伝統芸能や風景、花などを描いた油彩画が展示されている。

  遠野の五百羅漢は、初めて訪れる人を必ず案内するというほど思い入れがある。「遠野五百羅漢」(遠野郷、F30号)は谷間で肩を寄せ合う石仏が、新雪に埋もれてゆく姿を描写。江戸時代の大飢饉(ききん)のときに造られたという石仏の後ろには、大地を鎮め、死者をとむらう鬼剣舞と絵馬を配置した。

  岩大卒業後、県内の高校で英語教諭として勤務。美術部の顧問を務めたことをきっかけに、1973年から油彩の勉強を始めた。「本格的に美術を勉強したい」と、定年まで2年を残して退職し、武蔵野美術大・短大に入学。若い学友たちと交流しながら、技術を磨いた。

  短大の卒業制作では、生まれ育った古里をテーマに据えた。題名は「蘇(よみが)える民」。「豊かではなく、虐げられた時代もあった東北地方だが、そこに暮らす人たちは苦難を乗り越え、生命力豊かに暮らし続けているというメッセージを伝えたかった」と菊池さん。その2点の連作は、周囲から「こういう作品は見たことがない」と絶賛された。

  以来、東北は大切なテーマの一つ。「東北の民の生命力は、具体的な目に見えるものとして、芸能の中に伝えられている」と、八戸のえんぶりや、秋田の西馬音内盆踊りなどの伝統芸能を追い続けている。

  午前10時から午後6時(最終日は同5時)まで。
 


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